茜

ミック・テイラー 史上最強の追跡者の茜のレビュー・感想・評価

3.5
原題「Wolf Creek2」って続編かい。
でも前作未鑑賞でも全く問題なかったです。

期待してたよりも全然面白かった!
序盤でいきなり顔面吹き飛ぶシーンがあって「これ意外とイケるかも!」と直感。
大きめナイフでグリグリ刺したり、生首・死体解体・拷問ありで、想像していたよりも残酷描写は多め。
でもねちっこい生々しさはないので、そこまで気持ち悪さは感じない。

イカれたカントリーおじさんが旅行者の若者を次々とブッ殺していく、ただそれだけのお話。
オーストラリアで7人のバックパッカーが殺された実在の事件が元になっているらしい。
ジャケ写だけ見るとハズれかなと思っちゃうけど、これが意外とテンポも悪くないし独特の雰囲気があって面白い。
広大な景色の中で巻き起こる殺人劇と特徴的な音楽センスが絶妙にマッチしてて、カントリー調BGMの中で大型トラックに次々轢き殺されるカンガルーの群れっていうシーンに思わず笑っちまった…シュール過ぎる。
他にも殺人鬼が老夫婦と青年を襲うシリアスなシーンで急にクラシックが流れてきたりして、この選曲一体何なんだよってジワジワくる。
ヤバい奴に襲われる!っていうシリアスな話の筈なのに全体的にあまり緊迫感がなくて、所々コメディっぽい空気すら感じる不思議な映画。

彼女を必死で守ろうとする彼氏やら、逃げてきた彼女をただ助けただけの男やら、その男をかくまった老夫婦やら…理不尽に襲われる人達が流石に可哀相になる。
彼女の目の前で彼氏が殺されるなんて映画ではよくある見慣れた光景なのに、彼氏が意外と頑張り屋さんなもんだから心がザワザワしちゃったよ。

ただ終盤の会話シーンは、殺人犯のイカれ具合を表す大事なシーンっていうのは分かるんだけど、正直ちょっとダレた…。
でも映像観た感じ結構お金かかってそうだし、オーストラリアの風景は綺麗だし、ジャケ写から受ける印象とは逆に意外としっかり作られてて普通に面白かったです。
茜