コンプレックス。
嘘の中に潜むのは全てこれ。
ただ、嘘つくことが日常の人は他人もそうだと思ってるから結局は信頼関係を結べない。
一匹狼ならぬ一匹ドブネズミのお話でしたね。
主人公ルー（ジェイク・ギレンホール）はおそらくなんの職種についても、自分で言ってる如く器用で覚えが早いから抜きん出てそこそこ成功を収めるのかもしれないね。
まずは真似をすること…これも実はコンプレックスを抱く人にとても多い現象だと思う。
そして標的を越えようとする執念も人一倍。恥もなく策を巡らすのも上手なんだよね。
一欠片の優しさも湧かないくせに上っ面の方便は上手。
紹介をうけてTV局のメンバーに認知されたい欲求。
画像にクレジットを入れる要求。
ああ、こういう人に出会ったことあるなぁ…と思いながらギレンホールの怪演にムカつきながらも観入ってしまった。
そもそも人の不運や不幸にカメラを向ける報道倫理に対するアンチテーゼでもあるんでしょう。
「より過激」なものを求めるのは視聴者も同じ。
この自粛期間で以前より活発にLINEグループで仲良しとお喋りするけど、
大きな災害や事故画像がTwitterに投稿されるのを見つけると必ず誰かが
「衝撃的だけど見る？」
って共有を聞いてくるよ。
そういうときはほぼ全員が
「見る！」って答えるもん。
やっぱり対岸の火事でしかない物事の切り取り方に自分も恥じることもあるけど…
今は報道カメラのみならず一般人の映像の方がニュースにも取り上げられる機会も増えたね。あういう動画にTV局はお金を払っているのだろうか？
全く罪悪感を感じないから、人の命も自分のストーリーとして簡単に消費してしまう。
サイコパスよりは天性の嘘つきだと感じた映画だった。
決着つけてスカッとは終わってくれなかったけれど、彼の未来は明るいはずがない！
内容がダークだからいろいろ書けたけど…映画はとっても面白かったな。
