ながみ

ナイトクローラーのながみのネタバレレビュー・内容・結末

ナイトクローラー(2014年製作の映画)
4.0

このレビューはネタバレを含みます

最初から主人公が気持ちのいい、大衆にとって感情移入できる人間でないことはなんとなく分かった。
できれば大勢が否定して忌避したいような、でも私達の生活の裏側や私達の影にぺったり張り付いて存在しているようなものだからこそ、余計に。否定したくて、私達とは違うと、こいつは下衆すぎるとドン引きしたい気持ちでいっぱいだった。
実際ドン引きしたが、あんな一面は私達のどこかにもきっとある。そして日々目にしているニュースが人の一存でどれほど印象操作されている可能性があるのか、考えるきっかけになった。
私達の興味関心を引くもの。知りたいという思い。知識欲。不安。そういうものが、「真実」がどこから来ているのか。

それはともかく、音楽と画作りが最高!前半、明らかにやっている行為と音楽の爽やかさが反比例していた。確実にわざとやってる。死体に集るハエのように映像を取りながら、流れる音楽はアナザースカイばりに爽やかだ。思わず爆笑してしまった。
印象的だった画はいくつもあったが、特に最後、助手(相棒)の映像を持ち込んだシーン。こちらを恨めしそうに見る彼の視線を浴びながら、その前でルーとニーナはうっとりと互いを見つめる。最悪で最高の構図だった。
いい映画だった。また見たい。
ながみ

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