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とうもろこしの島のharukapiのレビュー・感想・評価

とうもろこしの島(2014年製作の映画)
3.5
静かで叙情的な映画だった。目線が美しい。
人々のいつもの日常に戦争がどうやって混ざり込んでいるのかとか、日常の中で戦争がもたらす異物感とかが感じられる。
何も無い島(中州)で、家を作っていく、畑を耕していく、魚を捕って火をおこして調理する、貨幣で解決するのではなくてひとつひとつ自分の力で「生活」していく様子が素敵だった。特に家を建てる過程のシーンは美しい。
最後の柱の場面、おじいさんは自分が1から作ったものを、壊されるのではなくて、自分の手で壊したかったのかな。自然が与えてくれるものと、自然が奪うものとを想うとやるせない。人間なんかにおかまいない、自然はあくまで自然のままだ。でも最初のシーンと最後のシーンは連動というか示唆的だった。
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