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ワイルド・スピード SKY MISSIONの2049のレビュー・感想・評価

4.1
ワイルドスピード7作目。今作も脚本がとにかく雑。しかし、最早脚本なんかどうでも良くて、マッチョ、美女、スーパーカー、荒唐無稽なアクションを楽しむバカ映画というのはシリーズを観てきたファンなら周知の事実なので問題なし。

冒頭、前作の敵であったオーウェン・ショウの兄、デッカード・ショウが重症を負った弟を見舞うため、武装した警官隊を一人で殲滅しているという突き抜けたギャグシーンから始まる。
明らかに作り手の「考えるな。文句を言うな。頭を空っぽにして、ただただ楽しめ。」という宣言であり、余りの潔さに思わず笑ってしまう。

ラムジーとゴッド・アイの奪還を政府がファミリーに依頼するのもよく分からないし、何故空から奇襲をかけたのかもよく分からないし(パラシュートで降りた後、普通に道走って追いかけてるなら最初から道走ればいいじゃん…)、アブダビの金持ちは預かったゴッド・アイを「あー…あれ売っちゃった!テヘ」とか言うし脚本書いてるのは小学生か?と疑うレベル…

ステイサム演じるデッカードは最強の敵という触れ込みで、冒頭でもそれをアピールしていたのに、ホブス含めてファミリーは襲われる度に普通に撃退しているのもなんだかなぁ。というかファミリーが異常に強すぎるのか…

最後のロスでの作戦も「そんなことする必要ある…?」という巨大な疑問符が頭の中に浮かび上がる。
しかし全編通して繰り出されるバカマッチョアクションの連べ打ちによって、ドーパミン、βエンドルフィンが脳内に噴出、ドラッグ並のトリップ状態で知性は崩壊、理性は爆発。いつのまにかこの壮大なDQN movieの虜に…

撮影中に不慮の事故により亡くなったポール・ウォーカーをどんな風に見送るのか気になっていたが、これ以上ないほど完璧なラストで思わず涙…並走するチャージャーとスープラ、やがて分岐でそれぞれの道を走って行く…まさかワイルドスピードシリーズで泣くことになるとは…
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