三郎丸

Dearダニー 君へのうたの三郎丸のレビュー・感想・評価

Dearダニー 君へのうた(2015年製作の映画)
4.3
アル・パチーノ観たくて鑑賞!
御大皺っしわですが、相変わらずの早口に驚くと共に恐らく始めてやったであろう破天荒ロック?ミュージシャン役をバッチリこなしており、サスガです!

ジョン・レノンから手紙をもらいそびれたミュージシャンの話(この部分だけ実話)をヒントにした作品です。

お話は、
スターとしての絶頂期を過ぎ、自分を応援に来るオーディエンスもガッツリ老いているのを残念に思うが現実から眼を背けるダニー(アル・パチーノ)。
往年のヒット曲(予定調和丸出し曲)さえ歌っていればある程度成功者的な暮らしは続けられたが、何十年と曲も書いてない自分がどこか空しかった…
そんな時に、憧れのジョン・レノンからの手紙がダニーの手元に。
43年前、駆け出しの頃のダニーに書かれた手紙を、長年彼を支えてきたマネージャーのフランク(クリストファー・プラマー)が見つける。
ジョンの手紙には、
【富や名声に惑わされず、音楽への愛情を持ち続けることの大切さ】
が綴られていた。
コレを読んだダニーは、家族と絶縁状態でコカイン大好き、新曲もない今の自分を見つめ直し(ダメダメですね…)、新曲を作る決意&家族との絆を取り戻すべく豪邸を飛び出す…

【人は何かをキッカケにして、変わることが出来る】
というのが本作のテーマですね。

序盤のクズ丸出しな主人公が、ジョンからの手紙を受け止った後に変わろうと努めます。
中堅俳優が同じ役を演じたら、何処か説教臭くなりそうであったところを、アル・パチーノという名優が煙たがられ罵られるも、得意の軽口で飄々といなしながらもミュージシャンとしての自分、交流してこなかった家族との間で苦悩する。
見応えアリアリな作品です。

マネージャー役のクリストファー・プラマーが若干口の悪い主人公一番の理解者を演じていましたが渋格好いい!(そんなに出番ないのにサラッと良いこと言ってのけます)

本作のラスト、最高です!(詳細は避けます)
「オオ、ここっきゃないよね!!」
というよな会心のラストを魅せております。

残念なのは、ダニーの往年のヒット曲「ヘイ!ベイビードール」
しか、ライブで歌わなかったこと…
オーディエンスのオバサン連中(スローなった際の顔が軽くゾ○ビじゃね…)の期待を裏切りバラードの新曲を演奏するのが見たかった…

何かをキッカケに変わりたいとくすぶっている方にオススメです!
本作で75歳のアル・パチーノだって初めてミュージシャン役トライして歌まで挑戦してるんですから、説得力ハンパじゃないです…
三郎丸

三郎丸