彼は“英雄”か“犯罪者”か。
この映画ではそれを決めつけないで作られてある。「僕の起こした事件はこういう経緯の事件です。さぁ皆さんどうお考えですか?」と投げかけるような作品。
【国民が不合理な捜索・押収から身体、家屋、書類および所持品の安全を保障される権利を侵してはならない】
※合衆国憲法修正第4条の一節
憲法違反という国の骨格となる法律を国が違反してるという事実。
「テロ対策のため」と言い訳めいた反論が聞こえてきそうではあるが、ならまったく関係ない一般市民のSNS、Facebook、通信記録全てを勝手に覗き見していいのか?
この事実に気づいたスノーデンが自分も常日頃から見られてるんじゃないかと精神的にかなりのストレスを感じるのも無理はない。
恋人とのやりとりも全てを勝手に見られてるとしたら…?
彼女彼氏が勝手に相手の携帯を覗き見するのとは訳が違いすぎる。
例えば、ウチの彼女が最近仲良くしてる男がいて不安なんだ。なんて思ってそれを相談したら「大丈夫、彼女は仲良いだけでその男とは寝てないよ。」なんて相談相手からあっさり返されたら?
血の気が引く話。それが国レベルでやれちゃう事実。
この話をたった1人で暴露して国から追われる人となったスノーデンの勇気と決断力には只々脱帽。
専門用語、情報量がいっぱいで一回観ただけでは理解が大変かもしれない映画。
この映画で主演のジョセフ・ゴードン=レヴィットは「個人情報の扱いを意識するようになった」とか「サービス規約が変わって、同意を求められるときは、規約をしっかり読むようになった」など意識に変化があったそうで。
なんとも考えさせられる映画でした!
ちなみに、日本政府がこの映画を打ち切りにさせようとする動きがあるとの噂が…!
観るなら今のうちかもね!