真田ピロシキ

スノーデンの真田ピロシキのレビュー・感想・評価

スノーデン(2016年製作の映画)
3.3
序盤のジョセフ・ゴードン・レヴィットのナードぶりが板につきすぎてて心底キモい。しかも頭でっかちの愛国者様。そんなネット右翼度100点素材でも信条が変わるのはリベラリストの恋人との付き合いがあるだろうし、もっと言えば自分で物事を深く考えられる頭の良さの賜物。テロ防止のために尽くしているつもりだったのに、実際は政府の利益追及でしかないじゃねーかと。そう考えられるスノーデンの正義には権力者に盲従しているだけの愛国者様には決してない芯がある。大統領就任時のオバマに好意的だったのにオバマ政権を告発出来るのだから党派性では動いていない。告発に至って同僚に累が及ばないよう敢えて自分の痕跡を残すのも英雄的。キモいナードの顔はとっくの昔に消え去っている。内面が外面に現れる。

ナードの割にスノーデンの最初の志望は特殊部隊でその新兵訓練がまんまフルメタルジャケット。未だにあんなのやってんの?

オリバー・ストーンが監督とは知らずに久し振りに見たのだが相変わらず堅苦しくて苦手。しかし実際の映像をガンガン挿入して強まる史実性はつい最近のことなのもあり強烈。現実に起きたことは勿論知っているものの、スケールが途方なさすぎてそこらのヒーローアクション映画よりぶっ飛んでいる。ダークナイトもウィンターソルジャーも形無し。恐ろしい時代に生きてるものよ。