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スノーデンのohassyのレビュー・感想・評価

スノーデン(2016年製作の映画)
3.0
アメリカは本当にいろんな闇を内包している国ではあるけれど、一方でこういった権力に対してのカウンター的な作品を作り大々的に公開するところは素直にすごいと思う。
しかも結構ホンモノのニュース映像を使うので、かなりの影響力があるはず。
映画をプロパガンダとして最大限活用してきたからこその発想かもしれないけれど、エンタメの力を信じているし、ある種メディアの独立を行動で表してもいる。
共和党に政治利用されただけかもしれないけどね。

日本はなかなかこういう作品は出てこない、というかそもそも現代の政治を舞台にした作品自体が少ない。
あまり興味を引くことができないのかも。
「日本で1番悪い奴ら」なんかはすごく頑張っていると思うけれど、権力のトップまで及ぶ話ではないし。
モリカケ問題なんてどうでもいい話だという意見もあるけれど、人が死んでいるわけだからやはり結構な闇があるはずで、真相が究明されたら映画化されてもいい気がするけれど、されないだろうなあ。

メールや通話を全て管理されていたり、盗撮や盗聴をされているというのはそれは気持ち悪いけれど、個人的には僕の情報なんてなんの価値もないし、どこか知らない人に見られても何とも思わない。
そんなヒマがあるなら他にすべきことは山ほどあるし、誰も得しないことはすぐ止めるだろう。
ただしこれが身近な人に見られるというのなら話は別だ、すごくイヤだ。
ということは、握られた情報は僕の弱みになるということだ。
実際劇中でも情報を握られたどこかの金融の偉い人が、全く関係のない他人の利益のために貶められていたわけで、やっぱりイヤなものですね。

ところで本作は、この事件を扱ったドキュメンタリー「シチズンフォー スノーデンの暴露」を観てから鑑賞すべきでしたね。
特に僕のように事件を良くわかっていない人間にとっては、その方が楽しめるような気がする。

スノーデンの上司で副長官のコービンオブライアンを演じたリスエヴァンスが、とても良い存在感だった。
イギリスのコメディアンらしいですが、Skypeのシーンすごく怖い。
いい映画で良く見かける、スノーデン役のジョゼフゴードンもとても良かったけれど、最後まで演じたかったんじゃないかなあ。
一番美味しい部分なんだし。

ずっと思っていたんだけれど、「名探偵コナン」って謎解きの部分がいつも小五郎の声になるけれど、あれもコナンの声優さんにとってはフラストレーションだろうなあ。
主演なのに、作品的な大一番に全く関与できないなんて。
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