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スノーデンのryodanのレビュー・感想・評価

スノーデン(2016年製作の映画)
4.6
2017-01-28

O・ストーン監督作。
E・スノーデンの機密情報漏洩事件を追ったドラマ。NSAが世界中の情報を傍受している事件は、記憶に新しい。当時の報道では、NSAの職員と伝えていたので、てっきり一職員しかも、扱っている内容はそんなにハイレベルな情報ではないと勝手に思ってました。そしたらビックリ、ハイレベルな情報を管轄する超エリートだったなんて。J・G-レヴィットがスノーデンそっくり。スノーデンの苦悩や息遣いまでもが伝わってきます。恋人役のS・ウッドリーの、善良なアメリカ市民の代表みたいな設定も、バランスが良かった。まさか横田で通信傍受してるとはね。そんなに近い存在だったとは。防衛省も横田に足を運んでいたんですね。とにかくクレバーなスノーデン。NSA、CIAからも信頼されていて、米国もまさかと思ったでしょうね。国賊扱いの報道でしたからね。SFの世界では、個人情報は全て政府機関が握っているていうのが当たり前。序盤の攻殻機動隊が好きだなんて、皮肉なもんです。正直、今もってピンとこない話でもないんです。それは自分がターゲットになるような存在でもないから。ほとんどの人達がそう思っているはず。彼が警告しているのは、情報を扱う側によって、個人が事件に巻き込まれたり、事件の真犯人に仕立てられる、ピンポイントな情報操作が、いとも簡単に行われるシステムを見逃していいのか。それを勇気をもって告発してくれた人物。終盤、ハワイの施設で情報を抜き出すスノーデン。手話で別れを告げるシーン。彼の様に、自分の任務に違和感を感じている職員も少なくないような気がしました。ストーン監督の希望が込められているのかな。
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