emily

ミス・ペレグリンと奇妙なこどもたちのemilyのレビュー・感想・評価

3.4
なかなか周囲に馴染めないジェイクは祖父の遺言に従い森の奥に洋館を見つける。そこにはミス・ペレグリンと不思議な能力を持つ子供達がいて、ジェイクも自分の能力に気がつき。。

口が背中にある少女や口の中に蜂をたくさん飼う少年、植物を成長させてしまう少女や、宙に浮いてしまう子、手から火を放つ子など、可愛いい子供達から想像もつかない能力を隠し持っており、しっとりと暗い色彩と緑がたっぷりのドリーミーな空間の両極を兼ね備えたダークファンタジー。

時間軸と同じ繰り返しをポップに見せ、全てを見尽くしたようなミス・ペレグリンを演じるエヴァ・グリーンの背筋の凍りそうな冷ややかな笑顔に集約されて行く。おもちゃ箱のようで、リアルなドイツ兵の爆撃だったり、ガンマスクだったり、実験装置など、夢の世界のようでそれは永遠に続いて行く残酷な世界。

彼らと出会うことで、はじめて自分の居場所を見つけ、誰かの役に立つ喜びを感じるジェイク。それがまた異端とされてきた子供達の成長へと繋がる。危険から身を守るための手段が逆に子供達をただ閉じ込めていだけに気づくミス・ペレグリン自体の成長でもある。シンプルなメッセージ性と目まぐるしく変わる時間軸が心地よい。
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