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ジャスティス・リーグのnetfilmsのレビュー・感想・評価

ジャスティス・リーグ(2017年製作の映画)
3.5
 生前のクラーク・ケント(ヘンリー・カヴィル)の姿を捉えたVTR、世界中が悲しみに暮れたスーパーマン死去のニュース。それから数ヶ月後のある夜、バットマン(ベン・アフレック)はゴッサム・シティで空飛ぶ怪人パラデーモンに遭遇する。新たなる「空からの脅威」を感じ取ったバットマンは憂鬱な表情を浮かべている。一方その頃、ワンダーウーマンの故郷セミッシラ島ではマザーボックスと呼ばれるキューブが異常な反応を示し、斧を手にした魔人ステッペンウルフとパラデーモン軍団が時空を超えて出現する。女王ヒッポリタ(コニー・ニールセン)率いるアマゾン戦士は抵抗するものの、ステッペンウルフの力にマザーボックスを強奪されてしまう。最初に強奪されたアマゾン族の他に、地球上には海中都市のアトランティス人、人間たちの2組がボックスを管理していた。バットマンとワンダーウーマンはステッペンウルフと戦う最強チームを作るため、この世に存在する超人「メタヒューマン」たちのスカウトに乗り出す。

 クリストファー・ノーランとの『ダークナイト』3部作や『バットマン vs スーパーマン ジャスティスの誕生』を経て、攻勢を強めるDCユニバースの最新作は、まずその明るい色味に驚かされる。DC特有の灰色がかった暗い色調からバットマンのタクティカル・スーツの素材感すらわかるような明るい色調へ。陰から陽への転換は、セントラル・シティ大学の学生バリー・アレン(エズラ・ミラー)らのファニーな姿にも明らかだろう。「ジャスティス・リーグ」参加者の前後関係や細かな描写はもう少し必要だろうが、決して笑みを見せない冷酷な富裕層ブルース・ウェインと、美人ながら愛想のないダイアナ・プリンスのリクルーティングの様子は『スーサイド・スクワッド』やMCU作品には見られない新鮮さがある。決して乗り気ではない彼らを「ジャスティス・リーグ」に引き込むバットマンの埋められない焦燥感はかつてのライヴァルに向けられるのだが、その随分あっさりとした復活にはワンダーウーマンでなくとも首を傾げてしまう。巨大な敵に立ち向かう5人のチームワークはなかなかのものだが、残念ながらヴィランとなったステッペンウルフにあまり魅力が感じられない。120分という物語の尺は途中降板したザック・スナイダーの裁量ではなく、後任となったジョス・ウェドンの影響が強く感じられる。
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