こたつむり

ジャスティス・リーグのこたつむりのレビュー・感想・評価

ジャスティス・リーグ(2017年製作の映画)
2.5
『DCエクステンディッド・ユニバース』第5弾。
冷凍食品で作られたお子様ランチのような作品。

どちらかと言えば。
マーベルよりもDCの方が好きです。だから、今年の夏も劇場で鑑賞したのは『スパイダーマン』ではなく『ワンダーウーマン』でしたし、今回も『マイティ・ソー』は見送り、本作を選びました。それだけ、本作には期待していた…のです。

そして、冒頭の流れは最高でした。
《スーパーマン》不在である“絶望の世界”。悪に蹂躙される大衆と“希望”を絶やさないために前を向く《バットマン》たち。正直なところ《ワンダーウーマン》がテロリストを退治する場面なんて、スクリーンが滲むくらいに震えていました。「あ。これは『シン・ゴジラ』と同じ感覚だ」なんて思ったのです。

しかし、その後は緩やかに、そして激しく。
堕ちていくテンション。数秒間ほど意識が飛ぶほどに、ぐわんぐわんと前後する首。そして、スタッフロールの途中で立つ観客の多さに同意するほどに、てんでダメでしたね。

この原因は明らかです。
第一にお披露目のキャラクタたちの薄さ。彼らの行動原理に共感を懐けるほどの描写がなく、更には仲間としての“意識”も“連携”も描かれません。やはり、マーベルに倣って単独作品を先に積み重ねるべきでした。

同様に敵キャラクタも薄いのです。
『アベンジャーズ』でも感じましたが、こういう“お祭り騒ぎ”系の作品はヒーローの描写よりも“敵”の描写に時間を割くべきですね。“敵の強大さ”を感じないと、ヒーローたちが集まる意義が不明瞭になり、表現が軽くなるのです。

そして、何よりも。
前二作の“伏線”を全く活かさない展開が最悪でした。確かに前作はラズベリー賞という不名誉に与りましたが、どれだけ批判が強くても“信念”を曲げてはいけないのです。容易に“復活”させてしまう演出は…自身でシリーズを否定することに繋がるのですから。

まあ、そんなわけで。
世間ではザック・スナイダー監督の降板が騒がれているようですが、たぶん彼が続投していたとしても、評価は大きく変わらなかったと思います。何しろ準備が足りていませんからね。シリーズ全体の構造の問題の方が大きいのです。

ただ、それでも僕は諦めません。
諦めたら、そこで終わり。それを教えてくれるのがヒーロー映画なのですから。

To be continued… →→→ 『アクアマン』
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