Ryohei

エクス・マキナのRyoheiのレビュー・感想・評価

エクス・マキナ(2015年製作の映画)
4.5
技術の発展によって人工知能を搭載するロボットを製作することが可能になった、遠いようで近い未来。検索エンジンの会社に勤める主人公は抽選で選ばれ社長の別荘に招かれることとなるが、そこでは彼(社長)が発明した女性型A.Iとのチューリングテストを行うこととなる。

川の流れや木々の揺らぐ風景に佇む一軒の直線的な構造を持つ建物が美しかった。またそれらの映像とともに流れる音響も重厚感と浮遊感を同時に感じさせ、作品の主題の抽象度を引き立てているように思った。

人工知能を人型にする意味はあるのか、また性別をつける意味はあるのかなど人間が人間以上の物?者?を作るうえで引っかかるであろう問題に焦点をあてた表現をしていると思った。そしてこの作品では異性愛者の女性を象っているが、『her/世界でひとつの彼女』では女性の声を、また『ターミネーター』では男性をと、その物・者が担うテーマ・役割によってそれらを物質として表出する形態は異なってくるのだと思った。しかし、そうなると人工知能として生まれた瞬間からそのもののアイデンティティを担保していることになるので、それが果たして機械であれど人間的であるのかは微妙なところだとも思う。
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