このレビューはネタバレを含みます
面白かった。
先の読めない展開と緊張感漂う音楽、雰囲気、そしてラスト。
「自然」と「人口」それぞれの本質は何か問われるリアルなSFホラーだった。
進んだ科学技術を扱う作品ながらに、差し込まれる大自然の映像は美しい。
それはまさに、どこまでがAI(人口)で、どこまでが人間(自然)なのか、混在するそれぞれという、作品そのものを表現しているようだった。
人口知能=AIは今どきの映画では使い古された題材だが、その恐ろしさを痛感する物語だった。
見るからに怪しい社長、その社長が選んだ恋人のいない主人公。社長は騙していたが、それをさらにAIは利用していたという構図が恐ろしい。
社長や主人公も冗談交じりで話していた「AIに騙される」が実現するのだ。さすがにマヌケすぎるように見えるのが個人的にマイナス。
もともとアリシア・ヴィキャンデルは好きだったのだが、ラストが近づくにつれ、AIの彼女を本当に「美しい」と感じて「しまって」いる自分がまた恐ろしかった。