ナガノヤスユ記

エクス・マキナのナガノヤスユ記のレビュー・感想・評価

エクス・マキナ(2015年製作の映画)
3.5
もう2年も昔の作品だからかな、とりわけ新しいものは感じず。AIが人間を超えていく未来とかもうそれだけで映画一本は撮れへんのだなあ。今作のヒットはギリギリ前時代に滑り込んだってことなのだろうか。
AIと人間のありうべき関係という意味では、スパイク・ジョーンズの『Her』やニール・ブロムカンプの『チャッピー』のほうが好みだし、大変軽やかだったと思う。と、もうそれくらいの見方しかできなかった。
AIが駆け引きにおいて人間を出し抜き、超えていくというのはもう来るべき未来でもなんでもなくなった感ある。むしろその結果を受けて人間旧来の論理や社会性が更新されていくことにこの題材の面白さ新しさ現代性があると思うのだけど。
オスカー・アイザックと性処理人形のランデブーはよかった。
が、そもそもAIに肉体は必要なのだろうか、という点に思い至ってないあたりがアイザック扮する社長の発想の限界、ロボットやラブドールの範疇に留まってしまってるとこだなあと。
この期に及んで尚、人間中心主義から脱してない感すらある。