February 4th
Alex Garland初監督作品。
こわっ。サスペンスとしてとても素晴らしい出来だったと思います。
すごいなと思ったところは、SF作品としてとても規模を小さく作ったということ。登場人物といえば、４人ぐらい。人物に限るなら２人。さらに上映時間は１時間４８分。SF作品はどうしてもテーマが大きくて、それを説明するのに時間がかかり、２時間越えになりがち。それをここまでコンパクトに収めながら、テーマ、ストーリーがはっきりしているのが綺麗だった。
はっきりしているというのがこの映画の特徴だと思うが、あんまり難しくしすぎず、ラインもカメラワークも編集もはっきりして、とても分かりやすかった。たとえば、二人がセッションをしている最中のフレーミング。おや？ってなった瞬間のセリフがテーマの真髄に関係していた。鏡やガラスのリフレクションを作品全体にわたって使う演出もかなり配慮がいるが、完璧だったと思う。何かしらの陰謀を明かすときのサスペンスとしての展開もはっきりしていた。ストーリーラインを先読みしやすいってのもあったが、８割の期待と２割の裏切りといういいラインをいってたのではないかなと思います。
POVはCalebのものがおおく、観客がどこの感情を捉えればいいのかはっきりしていて、細かいところで見れば、観客の心を操作出来ていたのではないかと思います。強いていうなら、大きなストーリーライン。オープニングから、あまり語らずシーンを舞台に持っていき、そこから少しずつ前にも後ろにも広げていく展開は面白かったが、前の広がりが浅かったのかなと思いました。Calebのバックグラウンド、Nathanのバックグラウンドが少ししか見えてこず、そこがAI以外の社会的な何かにつながれば、あのエンディングで持つんじゃないかなと思いました。あとは、マクガフィン的なものを一つ二つつくるとか。。。
一つの施設内で起こる1週間の出来事という設定を、VFXが完璧に補完し、恐怖と興奮を与えてくれました。
