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エクス・マキナのおーたむのレビュー・感想・評価

エクス・マキナ(2015年製作の映画)
4.4
インパクトのあるアリシア・ヴィキャンデルのビジュアルは見たことがあり、気になっていた作品でした。
後味悪い作品だと話には聞いていましたが、なんとも薄ら寒い話ですね。

人の手で作られたモノが人間になろうとするあたりの描写は、最近見た「アンドリューNDR114」とよく似ていますが、シリアスな問いをあくまでヒューマニスティックに描いた「アンドリュー…」と違い、本作は「こうなったら怖いな」という方向へ突き進んでいきます。
主人公、AI、AIを開発したプログラマの三者による騙し合いで、ある意味、三者三様に自身の目的は達するのですが、爽快でもハッピーでもない、戦慄的なラストに、ぞわっとなりました。
と、基本的には冷たいムードのスリラーですが、精緻な人工物に表れる美しさ、対比されるように映し出される自然の鮮やかさ、AIとの交流が醸す倒錯性、無機質な空間が感じさせる荒涼とした空気…などが、渾然一体となって作品に神秘性を帯びさせ、不思議な魅力になっていたのは、ちょっと興味深かったですね。
詩的と評価なさっていたレビュアーさんがいらっしゃいましたが、同感です。
それを考えると、作品の美しさを破綻させないためのラストとして、ああいう展開が持ってこられたのも、納得。
後味は悪いですが、ある意味、綺麗な終わり方だったと思います。

舞台が限定的、かつ登場人物が少数であるため、スケールはそれほど感じませんが、SFスリラーの触れ込みに恥じない、独特な雰囲気を持つ作品でしたね。
そのうちこんなこと起こりそうで、ちょっと怖いですが、そう感じさせるあたりが、上手いなと思いました。
怖いけど、面白かったです。