しゅんすけ

エクス・マキナのしゅんすけのレビュー・感想・評価

エクス・マキナ(2015年製作の映画)
4.1
「エクス・マキナ Ex Machina」

 「アナイアレイション 全滅領域」の監督も務めた、アレックス・ガーランド監督作。

 「ブルーブック」というGoogleみたいなIT企業の社内抽選に合格した主人公が、社長の秘密の別荘に招待され、そこで社長によって秘密裏に創造されたAIのテストをしていくという話。

 予告を見た限り、密室劇かな???という印象が強かったのですが、冒頭の別荘に向かうシーンが予想以上に壮大でびっくり。どんだけの豪邸に住んでいるんだ??と突っ込みたくなります。

 人間とAIの違いや、意識・無意識についての考察が会話で繰り広げられ、低温な感じで映画は展開していくのですが、最後になかなかハードな展開が用意されていて、そこは唸らされたところ。ただ、もうちょっと、AIと人間の恋愛や性についての話につっこんでいくかと思いきや、そこはすごくふんわりさせたまま終わってたので、そこをもうちょっと描いてほしかったなと個人的には感じました。

 ドーナル・グリーソン、アリシア・ヴィキャンデル、オスカー・アイザックは当然の名演技なのですが、「ラ・ラ・ランド」で、エマ・ストーンの同居人(パーティにいくとき黄色のドレスを着ていた人)を演じたソノヤ・ミズノのひんやりとした無表情演技が印象的でした。

 これって、デウス・エクス・マキナ(古代ギリシア悲劇の演出技法:劇がごちゃごちゃしたときに、絶対的な神が登場して、物語を収束に導く的なことだったと思う)に、AIの話や考察を絡めてみましたって感じの映画なんだなっていろいろ考えてみて思いました。ちょっと小難しい映画ですが、映像がクールでかっこいいですし、SF好きはチェックして損がないなと思いました。