伊緒

マクファーランド 栄光への疾走の伊緒のレビュー・感想・評価

3.8
ヒスパニック系の貧困層が多く暮らすカリフォルニアの農業地域マクファーランドで崖っぷち教師と生徒たちがクロスカントリーを通して団結する姿を描いたヒューマンドラマ。


実話をベースにしており、ディズニー映画らしい分かりやすく感動する作品になっている。


マクファーランドという地域では子供であっても暗い中起き出し畑仕事に出掛けなければならない、スポーツは娯楽であり一銭にもならない行為は生きていく上で必要のないことだと教えられ、大人になっても畑仕事を手伝うか犯罪を犯して服役するかのどちらかという悪環境。子供たちの未来は閉ざされ、早く大人にならなければいけない。「俺たちは無能な移民じゃない」ってセリフが重かった。同じアメリカでも境遇がまるで違う。そんな場所で主人公ジムはいろんな頭打ちを経験して成長していく。


なんだか行き場がない閉鎖された環境というのが炭鉱ものの作品と似てるなと感じた。畑仕事のシーンでは大人である筈のジムが1番の下っ端であり、生徒たちが先輩(大人)に見える構図にグッときて、初めて教師と生徒という上下関係が崩れ、リスペクトする気持ちが芽生えたり、相手の気持ちを慮ることが出来るようになった気がする。


早く大人にならなければいけなかった生徒たちが、クロスカントリーを通して見せる笑顔はまさしく子供のもので、それもすごくホッとしたな。やっぱり子供には子供のままでいて欲しい。楽しいこと幸せなことをもっと体感して欲しい。街の人たちとの関係も良かったな。


ラストの試合もサプライズ展開もあり胸熱でした〜
ただ綺麗すぎる作品というか、必要のないシーンはバスッと切り取ってしまってるように感じて深みがないのが残念😅もっと親子の確執とか観たかったな〜
伊緒

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