のん

劇場版 MOZUののんのレビュー・感想・評価

劇場版 MOZU(2015年製作の映画)
3.7
テレビドラマ『MOZU』シリーズが視聴率をいまいち取れなかったのは理由が割とはっきりしていて、

すなわち映画の映像でドラマの長い尺という違和感に耐えられなかったという点に尽きるのだと思う。


とはいえ映像の見せ方、アクションの組み立ては近年の日本のドラマではずば抜けていて、意欲的な試みだったことは間違いない。


劇場版となる本作はドラマ版を凌ぐスケールでストーリーが展開される。


羽住英一郎監督は『海猿』シリーズに代表されるように、とにかく画の見せ方が抜群に上手い。

フィリピンロケを敢行し撮影された爆破シーンの数々など、ホントに死人が出たんじゃないかと思わせるハードな展開の連続に目を奪われる。

この作品も普通の邦画よりは制作費が掛かっていることに違いないが、予算以上にスケールを感じさせてくれるリアルな映像を作れる数少ない映画監督だと思う。


その監督の見せ方に合わせるように役者の熱演も光る。

西島秀俊はじめドラマからのキャストと伊勢谷友介、松坂桃李といった新キャラたちの活躍も見所。ビートたけしはいつものビートたけしでしたが…。




これだけ良い要素が揃っていながら、この違和感は何だろう。まるでクライマックスの映像をつなぎ合わせただけで全体としての統一性に欠ける。


あーでもこれが『MOZU』の良さなのかもしれない。最高に雰囲気がカッコいい、ただそれだけの映画、そしてその雰囲気に全てのクオリティが集約されているのが魅力なのかと。