7ショット目で、普通の早さで動く人間が登場することによる、通常の「時感」を持った映画なんだ、と認識した上での階段シーンでは、サスペンスとコメディを兼ね備えていた。人がゆっくりと動くだけで、これ程までに映画的な表現が出来るのかと心底驚いた。怪訝そうな顔をして通り過ぎていく人々を横目に（見てすらいないが）、ひたすら一心に「ゆっくりと動く」ことが出来る心の強さに元気をもらった。なんて適当な感想なんだろう。ドニ・ラヴァン参戦で笑い転げた。実験映画、というものかと思うけれど、好きか嫌いかと言われればたまらなく好き。
