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ベル ある伯爵令嬢の恋のつばさるのレビュー・感想・評価

ベル ある伯爵令嬢の恋(2013年製作の映画)
4.2
白人貴族の父(マシュー・グード)と黒人奴隷の母を持つベル(ググ・バサ=ロー)は、母の死後父の叔父に当たるマンスフィールド伯爵(トム・ウィルキンソン)に引き取られる。
一つ年上の従姉妹エリザベス(サラ・ガドン)とは姉妹のように育てられたが、ベルは家族と一緒に食事をすることを許されておらず、特異な立場に置かれていた。
ある日ベルは首席判事であるマンスフィールド伯爵の部屋に来ていた見習い弁護士のジョン(サム・リード)から黒人奴隷が130人以上も亡くなった「ゾング号事件」について知らされる。

ストーリー ★★★★★
(実話ベース。ベルの境遇や恋愛・結婚に関するエピソードも面白く共感できるし、ゾング号事件が黒人奴隷制度の廃止のきっかけになった事も興味深い)

キャラクター★★★★☆
(ベルとエリザベスの対比が良い。アシュフォード兄弟の対比も面白い)

オシャレ度 ★★★★☆
(お屋敷もドレスも素敵。サラ・ガドンは水色がよく似合う❣️)

エンタメ度 ★★★☆☆
(ラブストーリー要素と奴隷制度に関する歴史的要素のバランスが良い)

メッセージ性★★★★★
(当時の身分制度の細かな所がよくわかります)

ベルが自分の肌の色によって受ける不当な扱いに傷つきながらも、マンスフィールド伯爵との間の親子愛や、従姉妹のエリザベス、伯爵夫人や大叔母との間にも家族関係を築いて行く様が温かい。

ベルに対するアシュフォード家の兄と弟の対応が全く逆で、弟オリバー(ジェームス・ノートン)がベルに見惚れているのを兄ジェームズ(トム・フェルトン)は面白くない。ハリポタのマルフォイ役だったトム・フェルトンは今回も嫌〜味な感じが増してます。弟は癒し系で笑顔が可愛い。

クライマックスの「ゾング号事件」に出される判決と2人の決断に目頭が熱くなりました。
トム・ウィルキンソンのベルを見る優しい眼差しとサム・リードの熱演も良かった♪

歴史的な要素とラブストーリー要素がどちらも楽しめる映画でした!

作中で描かれるベルとエリザベスの肖像画は約200年後の2007年に奴隷貿易廃止記念で一般公開されるまで伯爵邸に飾られていたそうです。
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