鰹よろし

アルマゲドン2007の鰹よろしのレビュー・感想・評価

アルマゲドン2007(2007年製作の映画)
3.3
 未知の小惑星の衝突という事例と、ビルの爆破解体現場におけるイレギュラーな爆発とを同期させ、月とその現場の対処に当たる男とをリンクさせている。

 彼は3年前に妻を亡くし、周囲の心配を余所に憑りつかれた様に仕事に明け暮れ、カタチあるモノをひたすらに破壊してきた男である。

 月は時に女性の象徴でもある。故に月はラナ・ゲイル博士でもある。彼女もまた大切な人(父)を亡くしており、生前味方になれなかったことを今尚後悔しており、父が正しかったことを証明しようと躍起になっている。

 月の亀裂というのは傍からは見えない彼らの心にぽっかりと空いてしまった隙間を可視化したモノなのだろう。

 そんな月の亀裂をただ傍観するのではなく、破壊という手段によってではなく、月というモノを一旦見つめ直し散らばった欠片を再集結させるという方法で修復を試みる勇姿を描き出す事で、過去に囚われた者たちが一歩前へと踏み出すドラマへと昇華する...

 メインはこの惹かれ合う2人の再起の物語であるのだが、衝突と反発を繰り返す博士の因縁の相手の協力と改心を寄り添わせることで、我々は皆互いに引力によって引かれ合っているとする裏付けと後押しとしており、彼の存在が2人の物語を際立たせるとても良いアクセントになっていた。

 勝手に「アルマゲドン」ではあるのだが、この作品は確かに「アルマゲドン」を意識している。


 「インデペンデンス・デイ」(1996)...「ボルケーノ」(1997)...「アルマゲドン」(1998)...「タイムマシン」(2002)...「ザ・コア」(2003)...「ソーラー・ストライク」(2006)...「もしも月がなかったら」ニール・F・カミンズ...「もしも月が2つあったなら」ニール・F・カミンズ...
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