佐藤でした

ビリギャルの佐藤でしたのレビュー・感想・評価

ビリギャル(2015年製作の映画)
4.0
今年、1月1日から今日12月7日までで575本(+α)の作品を見た。そのうち邦画は13本。「野火」は劇場で観て良かったし、「七人の侍」や小津映画といった名作とも出会えて大好きになった。「狂い咲きサンダーロード」はレビュー書けなかったけど本当にカッコイイ作品だったし、我ながらよいチョイスの13本だったと思う。

そんで14本目はこの『ビリギャル』。原作は未読。なぜかDVDがリビングに放置されていたので「タダなら」と見てみた。スコアは現時点で破格の4.0。

結果。号泣。

原作のタイトルまま『学年ビリのギャルが1年で偏差値を40上げて慶應大学に現役合格した話』だ。

しかしまあ、想像を絶するものがある。勉強の量とか、睡眠時間の少なさとか、塾にかかる費用の高さとか、驚くことはたくさんあったけど、何と言っても本人、ビリギャル・さやかの「底力」は、想像を絶していた。

それもこれも、塾講師・坪田先生との出会いが全て。偏差値30の金髪JKを、彼女でも理解できる“慶應ボーイ”というワードで釣って、やる気にさせた。
生徒の個性を瞬時に見つけ出し、ツラい勉強を楽しみに変換させる先生は“魔法使い”のようだった。

塾の生徒では、弁護士一家に生まれ育った(ビリギャルならぬ)ビリ男も登場する。彼は父親への復讐のつもりでグレて、反発を続けているが、先生は「まずは大学に行って、司法試験にも合格する。だけど弁護士にはならないの。それってチョー残酷な復讐だと思わない?」とまた魔法の言葉を使うわけだけど。
そこなんですよねぇ、と学歴のない社会人としてしみじみ思う。高い学歴を持ったことに後で後悔することは無く、高校生の時点では「選択肢を狭めないこと」が何よりも重要。広くて困ることは往々にして無いのです。

さやかちゃんの家族は、中古車ディーラーでプロ野球を目指していた父、働きながら主婦業もしっかりこなす母、野球推薦で高校に入りプロを目指す長男、これから中学生になるしっかり者の次女、そして一番上のさやか。この受験の道のり、5人それぞれに色んな変化がありました。

お母さんは「私はこれしかできないから」と、さやかの事を全力で、でも陰ながら支え続ける。その先で待ち構える「慶應合格」という結果は、支えた人々の「人生を丸ごと祝福する」ような素晴らしい出来事だ。

「ケーオー」が「慶應」になる過程。
あらゆるプレッシャーに潰れなかったビリギャルにあっぱれ。