EDDIE

ビリギャルのEDDIEのレビュー・感想・評価

ビリギャル(2015年製作の映画)
4.2
「ビリギャル」舐めてた!こんなに感動するなんて!わかりやすい王道サクセスストーリーなんだけど、偏差値30から徐々に見た目も姿勢も成績も変化していく主人公さやかを自然と応援している自分がいました。

ギャルな有村架純もいいね。

私のイメージとして有村架純は清純派なんですよね。時たまどぎつい性格悪い役柄(「3月のライオン」とか)も演じますが、なんだかんだ清純派なイメージが強く、その役をやらせたら間違いない安定感と安心感があります。
だけど、本作は言葉遣いもギャルだし、カラオケで歌って踊ってな姿もギャルだし、先生との絡み方もギャル。ギャル要素満載な架純ちゃん。
受験に本気になって、髪の色も髪型も変化して化粧っ気もなくなっていく模様に少し残念な想いも抱きながら、彼女の懸命な姿に胸を打たれます。

感動に一役買ったのは完全に母親役の吉田羊の存在が大きいですね。途中から彼女がセリフを発するたびに嗚咽で涙が浮かんでいました(笑)
私の大好きな田中哲司が父親役をやっていますが、彼が典型的な子供に自分の叶わなかった夢を押し付けているタイプ。
この夫婦の間には工藤さやかのほかに、弟の龍太(大内田悠平)と妹のまゆみ(奥田こころ)がいますが、実話をもとにしているので仕方ないところもありますが、正直弟のエピソードが蛇足でしたね。
甲子園を目指し野球に打ち込む学生生活。将来有望な息子に傾倒する父親の姿。この設定は良かったんですが、慶應を目指して受験勉強に励むさやかに焦点を集中させた方が作品としてはスッキリして良かった気がします。

それにしてもこの弟役の人どこかで見たことあるなぁと思ったら、ドラマ『あなたの番です』で西野七瀬のストーカーしてたあのあんちゃんだったんですね(笑)メガネをするしないでだいぶ印象が変わりますね。

さて、物語の本筋は学年ビリのギャルが偏差値を40上げて慶應大学に合格したという嘘のような本当の話。ちなみにテレビコメンテーターで社会学者の古市憲寿によると「早慶受験においてはこれぐらいの努力はよくある話」らしいです(笑)
彼女を変えたのは塾講師の坪田先生(伊藤淳史)。あんなに生徒一人一人に向き合って、試行錯誤しながらサポートしてくれる先生ってホント素敵だなと。

まぁ日本の受験戦争と学力主義の教育方針にはあまりいい印象を持っていない私ですが、それは置いといて現代の日本において大学受験は無視できませんから、本作の発するエールのようなメッセージ性はとても直接的でわかりやすくて良いと感じました。
本作において有村架純はとてつもなく可愛いですが、MVPは確実に吉田羊ですね。最高の母親役でした!

※2020年自宅鑑賞26本目
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