すぽんてぃにあす

ミス・シェパードをお手本にのすぽんてぃにあすのレビュー・感想・評価

4.1
脚本はイギリスを代表する劇作家アラン・ベネット。
彼が体験した、誇り高き淑女ミス・シェパードとの15年にも及ぶ奇妙な共同生活を描いた実話の物語。

アラン・べネットを演じるアレックス・ジェニングスの佇まいが好き。
べネットが一人二役の如く自身と会話する演出が面白い。
何よりミス・シェパード役のマギー・スミスのハマり具合は素晴らしい。
「天使にラブ・ソングを…」の頃からずっと好きですが、この作品でも見事な存在感で背景との調和に貢献していました。
この作品が舞台劇である頃から、この二人による出演で上演していたのだから、二人がハマるのは当たり前なのかもしれませんね。

気難しいミス・シェパード。
謝りもしない、何かとお導きを建前にする。
それなのに周りの人が親切で、英国人の心の広さに温まる描写が多かった。
こんな日常が目の前にあったとしたら、作家として手掛けずにはいられない気持ちもよく分かる。

終盤の三人で会話している演出がすごく好き。
とても綺麗な終わり方で、雑じり気なしの余韻を堪能できました。