♯111(2025年)Hard to be a GOD.
制作年数15年のソ連映画
ストルガツキー兄弟の小説を映画化
ロシア最後の巨匠
アレクセイ・ゲルマンの遺作
地球から800年遅れた文明を持つ惑星に派遣された30人の学者たちの物語。
王国の首都アルカナルでは大学が破壊され、知識人が迫害され、書物が焼かれるこの地で、地球人ドン・ルマータは異教の神ゴランの私生児として神のように崇められながらも、圧政に抗うことなく傍観していた。
ヴィラン陣営はドン・レバ大臣率いる商人で構成される灰色隊。知識人の多くは自滅か処刑されていたが隣国イルカルへ逃亡する者も居た。
やがてルマータは知識人を守るために行動を起こすが、権力闘争に巻き込まれ、恋人を失い、怒りに駆られて暴力に手を染める。最後には地球への帰還を拒み、惑星に残る決意をするロシア産長尺モノクロ映像のロードムービーです。
◆良い点/注目ポイント
・2013年制作の映画なのにモノクロなのは色々助かりました。血、糞、泥、肥溜め、臓器、屍、男性器、女性器モザイクなし。
不衛生な中世ヨーロッパ映像の集大成です。
・私は中世ヨーロッパの武器、防具フェチなのでCGでは無い大勢のエキストラの軍勢や、建物や調度品まで作り込まれていて感動しました。J・R・R・トールキンの『指輪物語』並の重厚感です。
・槍の穂先を向けられても余裕のデミゴッド、ドン・ルマータの行動の描き方も独特、クリプトン星人やサイヤ人も本気出したら地球人を滅ぼせるのに虚しいからやらないだけ。
◆改善点
・全く説明の無いままロングショットを延々と傍観することになる3時間超の視聴時間。
匂う映像、カメラ目線のジジイ達、なかなかシンドイです。
◆総括
・自分が異世界で無双出来たらどんなだろうを実写映像化した作品。
鼻を素手でもぎ取れるし、敵の槍も刺さらないし、ゴラン神の子孫を畏れているので誰も抵抗しないというおまけ付き。
アレハンドロ・ホドロフスキー監督の『ホーリー・マウンテン』と同じくらい意味不明な映画です。
モノクロ映画に3時間耐えられる方、グロ、不潔に耐性のある方にオススメです。
-2025年111本目-