ぴよこ

SHARINGのぴよこのレビュー・感想・評価

SHARING(2014年製作の映画)
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音声、カメラワーク、カットなど自分が認識しうる映画の全ての技術で創意工夫してあって、映画のお節料理というか、見た後に2Dであるはずなのに立体的な体験をした感覚になった。これは必ず映画館で見るべきと思った映画。私は端末でも映画を見るけど、映画館で見ることの大切さ?意味が初めてわかった。

篠崎監督は「ただいま」でも感じたけど、静と動のバランスが絶妙。静のときにはとことん息を潜ませて、突拍子もない動の勢いで観客を驚かせる。静かで鬱々とした精神世界のなかの、派手なフィクションが最高。「ただいま」で砂漠やカーチェイスのシーンがフックになったように、この映画でも爆発のシーンがフックになっていた。特に現実と虚構(精神世界)、現実と虚構(芝居)という二つの構造がそれぞれ重なり合って、何度見てもずっと新たな発見があり面白いのだろうという深みがあった。俳優の方のお芝居もすごかった。同じ作品なのに、違う顔を何度も見た気がした。
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