アン・ホイが監督した2014年ヴェネチア映画祭のクロージング作品
主人公のシャオ・ホン(蕭紅)は実在の人物で、中国語圏で人気が再燃している「民国四大才女」とも呼ばれた女性作家らしいが、私は今までその存在すら知らなかったし、作品も日本ではまだ訳されていないとのこと。
が、本作の中で魯迅の妻が語るところによると、彼女が世の貧しい人たちを書くと、他の者が書くのとは異なって、読者の心に真に迫ってくる力があるとのことで、創作者としての才能に溢れていた人らしい。
そんな彼女が、日本との戦争が始まろうとする時代に、貧困と戦争、自らの病気と闘いながら、激しい愛と創作に生き抜いた波乱万丈の人生が、奇をてらわず、見事な背景、セット、美術の中で、往年の大河ドラマのようにそれこそ格調高く描かれていて、それだけで感動した。