10ku0

アベンジャーズ/インフィニティ・ウォーの10ku0のネタバレレビュー・内容・結末

4.9

このレビューはネタバレを含みます

これまでのMCUで辿ってきたものが、ここに集約されている。

ガーディアンズのファミリーが関わってくるだけでも頭数が増えて、きちんとまとまるのかと若干の心配はあったものの、各キャラクターに十分な活躍と舞台を与えており、お見事の一言。

だいたいは、これだけ風呂敷を広げてしまうとひっちゃかめっちゃかになって補完出来ないことが多いがこれは成功以上の成功。
これを目撃するために、MCUという名の10年に渡る旅があったこと、そしてサノスという強大なヴィランを軸に描かれてきたのかと実感した。

そして
ヒーロー映画なら正義は絶対に勝利をおさめるという慣習にどこか甘えていた。
そんな想像を遙かに裏切る展開。

2019年の完結編でクライマックスを迎えることは知っていたので、IWで決着は付かないことは分かってはいた。

でも所詮そこまでの予想しか出来ていなかった浅知恵の私にとって、冒頭でのヘイムダル、そしてロキの死から既にショックが大きく、更にはガモーラ、結末ではサノスの指パッチンによる文字通りの展開でアベンジャーズの初期メンバー+ローズ、ロケットを残して灰になるシークエンスでとどめを刺された。
指を鳴らすだけで全宇宙の半分の生命が死ぬというのは、大袈裟な例えだとどこかで思っていたというか信じてなかった分、あのようにしてバタバタと消えていく様子にただ唖然。

何が起きてるのか分からない。

いや、目の前で起きていることを信じたくない故の感情か、同時に言い様のない恐怖を覚え、絶句し、エンドロール中も言葉を失った。

しかし反面では、ありがちな展開を裏切った物語に賛辞を贈りたい気持ちまであり、なんとも色々な感情が入り乱れ、これまでのマーベル映画では感じたことのない震えがあった。

サノスの云う道理にも一部分かってしまう部分もあり、一見悪である存在にも曲げようのない正義や守るべきものがあり、極悪非道なんだけれども、血の繋がっていないガモーラを本当に愛していた感情や、綺麗な日の出を見て微笑む彼の表情を見ると、それまで不透明で単に血の通わない謎めいたサノスというヴィランに一番人間臭さを感じた。

あのエンディングあって、この物語の主役がサノスだったんだと思い知らされる。

ほぼ重々しい展開ながら、ガーディアンズファミリーの能天気なやり取りや、ソーとの掛け合いといったギャグパートが緩和させてくれて良かったと思う。

あれがなければ、辛くて何回もは見られない。

2019年に結末を迎えるアベンジャーズ。
これまでとはまったく違うテイストになりそうであり、今回参戦しなかったアントマンやホークアイ、そして3月に公開が待機しているキャプテンマーベルがどう深く関わってくるのか、大いに期待出来る。
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