ねんどおにいさん

アベンジャーズ/インフィニティ・ウォーのねんどおにいさんのネタバレレビュー・内容・結末

4.8

このレビューはネタバレを含みます

天才の作る映画


毎年数本のヒーロー映画を公開しまくり、その度に「間違い無い」出来作品を輩出するマーベルスタジオ。
MCUとしてはアベンジャーズ本流シリーズの締めとして遂にインフィニティ・ガントレット編に突入。

思えば2008年の「アイアンマン」から早10年、ヒーローの数もとんでもないくらいに膨れ上がり、収拾の付かなくなりかけたMCUを「キャプテン・アメリカ  ウィンターソルジャー」で叩き起こし、「シビル・ウォー キャプテン・アメリカ」で緻密に計算されたプロットに大量投入したヒーロー達を持て余すことなく上手く料理するその天才的な構成力を見せつけたルッソ兄弟。
彼等が再びアベンジャーズシリーズの新作を撮ると言われればマーベルファンも安心。


今作、「インフィニティ・ウォー(IW)」もルッソ兄弟の天才っぷり「マーベルオタク」っぷりが炸裂した作品に仕上がっている。

まずアベンジャーズ本流のアイアンマン、キャップ、旧ソー、ハルクあたりの初期作品の重々しい作風と、ガーディアンズ、スパイダーマン、新ソー(バトルロイヤル)のライトでコミカルな作風を上手く混ぜ込んで、どう考えても胃もたれしそうなシリアスな脚本にアクセントを付ける事に大成功している。
特にガーディアンズの面々が初登場する際の演出も素晴らしく、「これぞガーディアンズ」としか言いようの無い軽快さ。
クリス・プラットらガーディアンズを演じた面々も、ジェームズ・ガン監督以外の撮った初めてのガーディアンズという事で心配があったらしいが物の見事に杞憂に終わっている。

ソーも人気の無かった過去作のテンションでは無くバトルロイヤルのテンションで登場。
ガーディアンズとソー、コメディリリーフ同士の絡みは最高に面白かった。


その他ヒーロー達の活躍は余りにも見所が多すぎる為割愛するが、兎に角ヒーローの回し方が本当に上手い。
シビル・ウォーでも各ポジションの割り当てと、最終決戦に向けての盛り上がりを演出し最高のカタルシスを生み出したルッソ兄弟。
今作では「ガーディアンズオブギャラクシーリミックス」のように増えすぎたヒーローを各地に分散させる事で見せ場を作り中弛みを防いでいる。

IWでは、カタルシスという点では一枚落ちるものの、銀河最強の敵サノスのチートっぷりをコレでもかと見せつけてくれる。

次作が「アントマン&ワスプ」と言うことでアベンジャーズの話としてはしばらくお預けを喰らう形となるが、おまけ映像のニックのポケベル風装置から呼び出した「キャプテンマーベル」が次に控えている。
頼れるチートキャラである彼女がどのような形で対サノスに、果てはMCUに絡んで来るか、最後に控える「アベンジャーズ4」でどのような展開を迎えるのか気になるところではあるが、

その時もルッソ兄弟が監督をやってくれるらしいので、安心して公開を待つことが出来よう。