なっすん

アベンジャーズ/インフィニティ・ウォーのなっすんのレビュー・感想・評価

4.9
―サノスを呼んでこい!!―


【あらすじ】
マイティソー:バトルロイヤル後、
アスガルド人たちと共にいたソー、ロキ、バナーらが乗る民間船がサノスらに狙われる。
既に“パワーストーン”を手にしたサノスは、ソーの持つスペースストーンを狙いに訪れていた。
ヘイムダルの力で唯一なんとか地球へ逃れたバナーは、Drストレンジに地球の危機をしらせ、トニースタークと合流。しかし、Drストレンジの持つアガモットの目に宿る“タイムストーン”を手にするため、サノスの手下であるブラックオーダーが地球へ到達してしまう――


◆◆◆◆


MCU作品10周年にしてシリーズ史上最凶の敵、史上最大スケールの事件がアベンジャーズを襲う。もはやシリーズの一見さんはお断りどころか、MCU作品をひとつでも見忘れてたら抑えてから鑑賞してほしい作品。今回の重要アイテムであるインフィニティストーンは、2011年公開のキャプテンアメリカとマイティソー作品からその先、様々な形で至るところに登場する。まさに壮大な伏線を回収する映画でもあり、このインフィニティウォーへ到達するために今までの10年間があったと言っても過言ではない。

今回の見所はアベンジャーズ(2012)のように、マーベルヒーローが集まっていく過程。エイジオブウルトロンでは既に顔馴染みの面々が最初から任務についているので、ヒーロー大集合の醍醐味が描かれなかった。同規模で多数のヒーローが登場したシビルウォーも同じ。
しかし今回はガーディアンズらが参戦するほか、スパイディやストレンジなどの新規参入したヒーローが顔をあわせるため、別作品のキャラが肩を組む新鮮味をもう一度味わえる。もう大興奮。
シビルウォー後に散り散りとなったアベンジャーズたちが今回はどのような形でいつのタイミングで登場するのか、それもまた見所のひとつ。

予告編でもわかるようにあれだけの大多数キャラが登場するにも関わらず、一人一人にしっかりスポットがあてられ、「えっ、これだけ?」と思わせることもなく、どのキャラのファンであっても満足できる内容となっていた。忙しいほど目まぐるしくシーンが切り替わるが、これだけ全員に見せ場を与えられるのは感心する。
しかし今作の主役はなんといってもサノスである。敵でありながらも過去の経験や葛藤が描かれ、ただの凶悪な敵ではなく信念を持って行動している点がまさにアメコミならではのヴィラン。深い関係を持つガモーラやネビュラとの関係も必見。

強いて言えば飽きることないほどに戦闘シーンが多い。地球や宇宙、色々な舞台で闘いが行われるために仕方ないが、2時間のうちの大半が戦闘で続き息つく暇もないので見るひとによっては疲れるかも。そこでマイナス1。
それでも全体的に暗いイメージのなかコミカルなやりとりも取り入れられていて劇場でも思わず笑いが漏れるシーンが多数あった。
クライマックスの着地、そして噂となっているアベンジャーズ4。あんな終わりかたで放置プレイされたファンはもはや飼い殺しにされている気分。それだけ次回が待ち遠しい。


◆以降ネタバレ◆
序盤から、最強レベルであるソーやハルクが子供のようにねじ伏せられたあたりでサノスのやばさは一目瞭然。こいつやばいなという印象がシンプルに伝わった。
その後公園でエボニーマウ達とアイアンマン、ストレンジ、スパイディが戦うシーン。真っ昼間のあの明るい雰囲気で行われる激戦に感じるアンバランスさがいかにもアメコミらしい。
ソウルストーンの場所で現れたレッドスカル、キャップとの死闘のあとに次元の彼方へぶっ飛んだやつがここで現れたか!と興奮。
ラスト、インフィニティガントレットの力でアベンジャーズその他大勢の核となる重要人物が次々と灰となる型破りな展開もまたアメコミらしさ全開であった。
ニックフューリーの出した救難信号に表示された彼女のロゴマークでピンときた人も必ずいるはず。まだまだ実写化の止まらないMCUの今後にも目が離せない。
なっすん

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