マクガフィン

アベンジャーズ/インフィニティ・ウォーのマクガフィンのレビュー・感想・評価

3.2
アベンジャーズなどのヒーローが結集し、ラスボスのサノスとの戦いを描く。マーベル映画19作目。

MCUならではの戦闘やアクションシーンの吟味されたアングルからのキャラ独自の躍動感や疾走感が凄く、背景がセットかCGか区別がつかなかないシーンも幾つかあり、セットのような重厚さが作品の世界観に味を加える。混沌としたダークなトーンでシリアスに展開するが、ガーディアンズ特有のコミカルもアクセントにはなるが中和するまでには至らず。

同一世界でクロスオーバーする単独作品のキャラ達が一堂に会するオールスター映画で、各々のキャラの特徴を活かしたシーンもあるが、流石に登場するキャラが多すぎる。アベンジャーズのヒーロー達が共闘するのはまだ分かるが、ガーディアンズのメンバーがアドベンジャーズと共闘することは、お互いのキャラや世界観を同じ画面で映す高揚感よりも、各々の築き上げた世界観が一気にフラットに映るような残念さを感じる。また共闘することで、アベンジャーズ内の強さもフラットに映るように感じて単独作品での魅力的な個性までは流石に描かれない。特に主要キャラのキャプテン・アメリカは個性と面白みに欠けたり、ソーの最強の武器を求める冒険譚のプロットかと思いきや、本人は全く成長しなく武器ありきに集約してラスボスに挑む模様は如何なものか。

実質的な主人公はアドベンジャーズではなくラスボスのサノスで犠牲と破壊をテーマにしている。
サノスは、地球の人口問題からくる食料や資源の不足による環境悪化や大量消費のメタファーだろう。しかし、宇宙規模で考えてるとは言えサノスの理論は、人口と食料と資源の比率の問題なのに均等に生命の半分を滅亡する矛盾は疑問で、犠牲と引き換えに神的な力を得て人々を救済する模様やサノスの心の葛藤や闇を見せられても全く共感できない。悪キャラは筋肉モリモリやデカい造形キャラばかりでなく、たまにはフリーザみたいな削ぎ落とされたキャラは登場できないものか。
サノスと対照的なアドベンジャーズの犠牲が次回作で繋がる要因になるのだろう。

絶望感極まるが、よくよく考えるとアベンジャーズの主要キャラ3人とハルクが残っているのか。ハルクは長い前振りか。次回作は楽しみだが、今作の3部作の1作目的な作風は相性が合わなかった。次作である程度の決着をつけてほしい。