10円様

アベンジャーズ/インフィニティ・ウォーの10円様のレビュー・感想・評価

4.3
2008年、「アイアンマン」から始まったMCU。当時からMCUと併走してきたファン達は狂喜乱舞したかと思えば阿鼻叫喚の渦に包まれ、意気消沈で劇場を後にしたことでしょう。2019年のアベンジャーズ 4でフェーズ3が終了し、今作はその序章。これまでにない壮大なスケールと終始纏わりつく緊張感。従来のMCU作品、というかヒーロー作品のセオリーさえ本作には通用していません。なぜなら全編に渡って醸し出される暗い雰囲気に加え、サノスのあの圧倒的な絶望感。これはケヴィンファイギが巨額を投じて作った最強の鬱映画だ。

10年という年月をかけて積み立ててきたMCU。今作はその19作品目に当たりますが、やはり相応の歴史がある分、過去作を知らないと理解が難しい感じは否めませんでした。一見さんでもノリで楽しめるなんて思ってると出鼻を挫かれますのでご注意を。何の説明も無しに主役級のヒーロー達が一同にクロスオーバーする様は複雑で、この唐突さに疑問を抱かずに胸踊る事が出来るのは、歴史の歩みを知っている人達だけでしょう。

これは10円様の独断と偏見ですが、最低これさえ押さえれば本作に入っていけるMCU作品を紹介します。
「ガーディアンズオブギャラクシーリミックス」
「シビルウォー/キャプテンアメリカ」
「マイティソーバトルロイヤル」
この三作を観れば本作の消化率は格段に跳ね上がります。更にインフィニティストーンを理解したかったら加えて
「アベンジャーズ 」
「アベンジャーズ エイジオブウルトロン」
「ガーディアンズオブギャラクシー」
「マイティソーダークワールド」
「ドクターストレンジ」
に、ストーンが登場するので予習しても良いと思います。もちろん、インフィニティウォーを観た後でも復習するのも面白いですね。

ここからネタバレ行きます









これから活躍が期待されるマーベルヒーローが一瞬にしてリタイアする。こんなラストがあっていいのでしょうか?所々で怒号と哀号が聞こえますが、たぶんこれは有りです。インフィニティウォーはもともとは前編と後編で企画されていました。一つの作品が二つの映画で完結するって事ですね。これが2つの単独作品になったわけです。そして今作の主人公は間違いなくサノス。サノスの持つ強大な力、傲慢な思想哲学、歪曲した正義や目的完遂のための非道さ、優しさ、弱さ全てひっくるめて見事に描写しています。宇宙を救おうとしているサノスも裏を返せばヒーローだというアンチテーゼ を確立させています。なので、これはハッピーエンドです。サノスの正義が成就されたわけですからね。MARVELがここにきてそんな大技に出たのは、最近のヒーロー映画に食傷気味になっている世間に対しての悪戯なんだと思います。
ただやはりそれでは世間的に、というかもはや映画史的にアレなので、次作アベンジャーズ 4は王道で行くのは当然です。初期アベンジャーズ メンバーが生き残り、ニックが連絡したあの人物。おまけにロケットまでいるなんて、もうサノスへの反撃の準備は出来ていますね!ブラックパンサーやスパイダーマンの続編が待機してるんだから何らかの形で復活するんでしょ?なんて野暮な考えはヤメます。とりあえずはマーベルヒーロー達のご冥福を祈って来年を待ってみます。って言うかね、まずどんな心境でアントマン&ワスプを観ればいいのやら。

くら〜い今作ですがガーディアンズの面々には本当に助けられました。ロケット&バッキーバーンズの活躍はもっと観たかった!あと意外にもブルースバナーが良いコメディリリーフです。バトルロイヤルのノリが残ってますね。