kanayan

アベンジャーズ/インフィニティ・ウォーのkanayanのレビュー・感想・評価

3.8
ここにいたるまで足掛け10年で17作品、マーベル・シネマティック・ユニバースとしていよいよクライマックスを迎えた本作。これまでの緻密な盛り上げ方もさることながら、ここまで多くのキャラクターのそれぞれに見せ場を配してこんだけ娯楽要素をふんだんに盛り込んだ力技はちょっと比較できる作品が見当たらない。だからあえてあら捜しをする。
本作の核はなんと行っても最大の敵「サノス」というハゲちゃびんであごひげが硬そうなおっさんであるが、この敵の大将の強さの表現にどうも一貫性が見当たらない。
冒頭でハルクに殴り合いで勝つというところでなるほど、確かに超人級に強いが、腕力の人かと思っていると、後のシーンで惑星ごと破片にして投げつけるようなものすごい攻撃をするかと思えば、キャプテン・アメリカと力比べをしてぎりぎりで勝つなど、この敵の強さはドラゴンボールで言うところの「ヤムチャ」と「フリーザ」の間をいったりきたりする。こんな敵を刃物で倒そうとするほうもするほうだが、それで危うく倒されかけるほうも倒されかける方で、ほんまにこのおっさん強いのか弱いのかよくわからんのである。
また、普通は「指をならしたら半分の生命が消えてしまう」という表現は「そんだけ凄まじいパワーを持つ」ということの比喩だと思っていたんやが、ほんまはなんですかこれ、魔法ですか?多分これ絶対死んでないでしょう。
このサノス、なんか深く思い悩みながらも生命の半分はいなくしたほうが種として幸せだという信念を持っているようである。実は過去に…という展開になれば北斗の拳のラオウみたいな感じで思わせぶりな描かれ方がしている。その理由は果たして次作で語られるのだろうか?大風呂敷を完全に広げまくった本作がどういう大団円を迎えるのか。19作目で落ち着くのか。その間にまた別のヒーロー物でも挟むのか。もう少し付き合うつもりです。
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