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アベンジャーズ/インフィニティ・ウォーのsanbonのレビュー・感想・評価

4.2
WOWOWの無料放送にて見直し。

エンドゲーム鑑賞後だった事もありなんか複雑な気持ちになった。

今作は全編を通してソーを軸に展開されている為「アベンジャーズ 」というよりも「シビルウォー/キャプテンアメリカ」のように「インフィニティウォー/マイティソー」の方がしっくりくるなーと、観る度に思ってしまう。

どうしてもこのタイミングでとなると、エンドゲームを踏まえての感想しか出来なくなってしまうのだが、やはり今作を見返して顕著に思う事はキャラクターの弱体化だろうか。

シリーズを通しても最多のキャラクター数が登場し、力のバロメーターも各作品毎にまちまち。

実力的にインフラを起こす起因になるキャラクターも数名存在する訳だが、そのいずれをも凌駕する敵も登場させなくてはいけない。

となると、味方の危機を演出するにはやはり避けては通れないのが弱体化となるわけだが、とりわけ露骨なテコ入れがされたのがヴィジョンだろう。

AOUでオリジナル6を超越した存在として誕生した筈のヴィジョンだが、今回は防戦一方、逃げ惑いただ守られるだけの存在に。

不意打ちに刺された腹部の傷のせいか、能力を発揮する展開も皆無であったのは少しやり過ぎ感は否めなかった。

次にハルクも弱体化の憂き目にあった一人か。

序盤でサノスにコテンパンにボコされてからは謎のイヤイヤ病を発症し、それからはバナー自らハルクバスターに乗り込み戦うハメに。

これはエンドゲームにおける最終決戦でのカタルシスに備えた振りかと思っていたが、エンドゲーム内では意外な展開で再登場?する事となる。

とにかく、何故かこの作品は所々で最善を尽くしていないような行動が目についてしまい、正直モヤモヤが治らない。

スターロードやソーに関しては、死力を尽くしての闘いの最中にあっては本当にサノスの言う通り「甘いな」であるし、エンドゲームを知ってしまった今だからこそ、そこで食い止めてさえいれば未然に防げた被害は計り知れなかっただろうにとどうしても思ってしまう。

作品単体として見れば、あれだけの数のキャラ、舞台、展開をこれほど上手く、複雑にならずにまとめ上げた脚本や演出には度肝を抜かれるし、次が絶対に気になる特大の大風呂敷を広げてみせたラストの展開は何度見ても鳥肌不可避である。

ただ、一つ疑問に思う事があり、指パッチンで消滅したのは「地球の人口の半分」なのか?それとも「地球の生命の半分」なのか?はたまた「宇宙の生命の半分」なのか?という部分。

もし「地球の人口の半分」ならば、タイタンにいたメンバーや地球人以外の種族も犠牲になっている事や、他の惑星でも以前から虐殺という名の独善的自己満足を度々行使してきたサノスだった筈だが、何故今回はわざわざインフィニティストーンを集めるというまどろっこしい手段をとったのかという点が疑問に残るし「地球の生命の半分」や「宇宙の生命の半分」だったとしても、それなら人間以外の命あるもの全てが対象で無くてはサノスの言う公平ではないのだが、それにしては地球人の消える数が半端ないし、その中でも更にマイノリティな筈のヒーローも消え過ぎじゃね?とかなり野暮な事を考えてしまった。

やはりここは「全宇宙規模で全種族対象、全種族毎に数を半分」にされたと考えれば合点が行くか?

ちなみに、サノスの行動に対して使命感や信念を感じるなど肯定的な見方をされる方が本作では意外と多いようだが、あの行為が第三者的な存在に背負わされた宿命でもあればその解釈は理解出来る。

が、奴は誰に頼まれたわけでも、誰に許されたわけでも同意があったわけでもないのに、勝手に俺がやらなきゃと奮い立っているだけなので、その行為はアイドルオタクが「今月生活ピンチだけど俺が居ないと○○ちゃんきっと悲しむしそんな事絶対俺がさせない!ニチャァ」と、ほくそ笑みながらなけなしの金を注ぎ込んで握手会なりなんなりに勝手な使命感に駆られ足繁く通うそれとやってる事は一緒で、言わばサノスは宇宙規模のアイドルオタクなのである。(違う)

自分の故郷が滅びたからといって、生命を自分の価値観だけで身勝手に蹂躙する行為に許容出来る余地など一切無く、その思想に一理あったところでそれが肯定されるべきではないと個人的には思っているため、その考えのもと先程はサノスを独善的自己満足のクソったれムラサキアゴキ○タマゴリラ野郎(そこまで言ってない)と表現するに至った事をご理解頂きたい。

※上記は、あくまで悪辣に描かれるフィクション上のアイドルオタクの事であり、実存する健全かつ純然たるアイドルファンの皆様を指すような意図は一切ございません。
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