ニャーニャット

シビル・ウォー/キャプテン・アメリカのニャーニャットのレビュー・感想・評価

3.9
エキスポのIMAX3Dで鑑賞。エキスポができてからは大阪に住んでてほんとよかったと思える(笑)

もともと協調性がなく孤立主義的なアイアンマンとその名の通り国家を背負って協調的なキャプテン・アメリカが立場を入れ替えて争うわけだけど、その立場の移り変わりが過去作で丁寧に描かれてるもんだから、今作の2人の立場に違和感がない。具体的にはアイアンマンは軍事企業として兵器を世界中にばら撒くことで平和のためであったが結果として多くの善人の命を奪ってきたカルマに苦しみ、個人の判断を信用できなくなる。一方で、キャプテンはアメリカの国民的ヒーローとして国家を背負ってきたが、もともとのアメリカの建国精神に則った保守主義的思想から友人を庇うために抵抗を始める。「国家から裏切れたことがあるが、個人から裏切れたことはない」という台詞(うろ覚え)に彼のそしてアメリカ保守の自衛の思想が集約されてる。
こう見ていくと、この決裂は最初から想定されていて、立場の逆転というよりも、このMCUの長いシリーズを通して深く2人のキャラクターを掘り下げていった当然の帰結のように思える。BvSのような半ば勘違いから発生したくだらない衝突とは雲泥の差なのも仕方ない…
アクションはウィンターソルジャーのようなシリアスな演出は抑えられ、コメディ要素も加わってアスレチック感がでていて前作のほうが個人的には好きだけど、これはこれで悪くない。

スパイダーマンの出し方もBvSと違って、しっかり次作へのバトンとして機能していることも流石だしほんと手練手管。あれ見てジャスティスリーグを観たいとは思わなかったけど、スパイダーマンは間違いなく観るもんね。