グリーンツー

シビル・ウォー/キャプテン・アメリカのグリーンツーのネタバレレビュー・内容・結末

4.5

このレビューはネタバレを含みます

この作品は、今のアメリカをよく表していると思う。

ヒーロー達も、「外敵」がいなければ纏まって戦う理由がない。だから、考え方の違いから離れていく者が出てくる。これは、「冷戦」以降、敵がいなくなってしまったアメリカだと思う。で、「自分達は本来こうあるべき」と主張するキャプテン・アメリカと「今の世界に合わせてこうあるべき」とするアイアンマンが対立していくことになるのも、今までアメリカ社会そのもの。

どちらが正しいか、と聞かれたら両方とも正しいと答えるしかない。本来、「正義」というのは国家権力と結びつくべきではないんだけど、アベンジャーズが「正義」を行うためにはどうしても国家権力が必要になる。「正義」と「権力」、この二つが目指すものが違う場合にどうするべきかを問う作品なのかなと思う。

またキャプテン・アメリカは国家プロジェクトによって生まれた存在。キャプテン・アメリカが誕生した頃と現在におけるアメリカの違い、変質を伝えたい作品なんだとも思う。

あと、そういうのとは別に「チーム」としての役割を考える上でもこの作品は面白い。アイアンマンは確実にエースで一番人気。彼がストーリーの中心になるのは頷ける。ではキャプテン・アメリカは?実力や人気なら他のメンバーで彼より上はたくさんいる。でも、アベンジャーズを考える上で彼より重要な存在はいない。彼がいないアベンジャーズはもはや「アベンジャーズ」ではない。次の作品は多分、そういうことを考えさせられる作品になると思う。

でも、「オールスター」もこんな頻繁にやると有難味がなくなってくる。そういう意味では、これ以上やるのはどうかという気もする。だけど、少なくとも「バットマンvsスーパーマン」よりは見応えがあったと思う。