ぺん

ブラックパンサーのぺんのネタバレレビュー・内容・結末

ブラックパンサー(2018年製作の映画)
4.0

このレビューはネタバレを含みます

単発作品としては期待以上。
アフリカンな民族文化とスタイリッシュなSF描写の融合、付いていけるか不安になったものの杞憂。
BGMも相まって魅力的な舞台設定だった。

キャラクターも、真っ直ぐなティチャラはもちろんヴィランであるキルモンガーの良さ。王座を奪うまでに至る彼の生い立ちは悲しい。動機や目的には賛同できるところがある。
歴史を絡めれば、ティチャラがキング牧師、キルモンガーがマルコムXという例えはしっくりくる。
親世代の過ちを子どもが清算し、新たな生き方へ進むというのはマイティソーやGOG2にも共通した今時らしいテーマ。
また親父のせいで内輪揉めかよ…とは思ってしまうけど。

映画の陛下は優等生すぎるので、周りの女性キャラのが見ていて面白い。
特に妹シュリが戦闘もこなす万能天才メカニックで可愛い。
ロス捜査官との会話シーンを見る限り、社長やバナー博士とも仲良くできそう?
そしてアンディサーキスが顔出し出演してるのが嬉しい。マーティフリーマンとの会話…ホビット好きとしてはニヤニヤしてた。
もー、だから退場のさせ方がもったいない!
せっかく味のある悪役だったのにさ…

シナリオ上の王位争奪戦が盛り上がるわりに、戦闘シーンは抑え目…肝心の陛下が地味。
釜山のカーチェイスが一番見栄えしたなぁ。
ただ肉弾戦に徹した見せ方や長回しは好みです。

ポピュリズムとグローバル化の両立の難しさなんかも考えてしまう、メッセージ性の強さ。
本国でのヒットも頷けるし、逆に受け付けない人もいるだろうな。
ただ頭を固くせずとも、一本のエンタメとして楽しめるものになっていました。
ぺん

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