タカシ

ブラックパンサーのタカシのレビュー・感想・評価

ブラックパンサー(2018年製作の映画)
4.3
『来月はもうアベンジャーズです』

なんというか、マーベルはすごい。
すごいとしか言いようがない。
このレベルの作品が、年に二、三本量産され続けていく奇跡。

どなたかのレヴューに「トランプ政権誕生に対するカウンター」として生まれた作品、という指摘があってなるほどなあと感心した。

マーベル作品に関しては、いろいろ指摘しても極めてささいな不満である事を言っておきたい。

登場する二人のキャラは他のマーベル作品からの続投。これは「アベンジャーズ2」と「シビル・ウォー」を観ておいた方がより楽しめる。
観ていてノイズになったのは、この作品の時系列が「シビル・ウォー」からみてどの辺りになるのかということ。「あれキャップは?」とずっとドキドキ、期待する羽目に。これが最後の最後にまた混乱するはめに。

アクションシーンは複雑で常に複数の視点が交錯して、異常にガチャガチャした感じ。
また基本的に夜や地下といった暗い場所でのアクションなのも不満。
そもそも肝心のブラックパンサーのアクションシーンが少ない! というか少なく感じる‼
中盤の韓国でのアクションシーンが頂点で(あれですら少し不満)、クライマックスはブラックパンサーだけで見るとかなり物足りない。
そもそもどうして勝てたのかロジックがよく分からない。

ただこういった不満も最後まで見終わった後、そういえば…という程度。

こういった不満はおそらく連続ドラマ化、つまりユニバース化している最近の映画作品の問題だろう。
ブラックパンサーで言えば、前作「シビル・ウォー」でお披露目がすんでいるのにも関わらず、本作でもう一度オリジンストーリーをやろうとしているからだ(同様の問題は「スパイダーマン」や「ワンダーウーマン」でも起きている)。
そのため、見せ場より物語を物語る事により力点が働いているように思える。

まあこれだけの作品を前にしては、もはや言いがかりに近いような気もするけどね。

相変わらずマーベルの3D化はお見事。
今回の芸能人吹替枠は主人公の妹になっている。おそろしく特徴的で面白いなあと思いながらも下手とかは全然思わず最後のクレジットでひっくり返ったんだけど、私は『あり』だと思った。Amazonのレヴューとかまた荒れそうだなあ。
劇場(MX4D吹替版)にて。18.03.02
2018#019
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