梅田

ブラックパンサーの梅田のレビュー・感想・評価

ブラックパンサー(2018年製作の映画)
3.7
いろんな要素が詰め込まれててちょっと整合性どうよと思う部分もあるが、難民とか多様性とか政治マターも結局は「ルーツ」への想いなのだということがこの映画の最も強いメッセージだと受け取った。この作品の中で強調されているのは死者の弔い方だ。ある人物の死を悼むとき、生者の側は「埋葬してやれなかった」ことを悔やむ。おそらくそれは、ブラックパンサーの力を得るためにハーブを飲む儀式の際に、先祖の霊と再開することができなくなるからだろう。一方、マイケル・B・ジョーダンが自分を「海で弔ってくれ」と言うのは、自分のアイデンティティの唯一の拠り所である父がこのアフリカの大地に眠っていないということを知っているからだ。
現代的な政治意識に貫かれてるともマーケティングがしっかりしすぎてるともものは言いようだと思うけど、アメコミ映画のフェティッシュな魅力とアフリカ系の強く美しい女性たちの融合はかなり感動的だった。終始ケンドリックがラップしてたらさすがに嫌になるだろうなと思って見始めたけど、音楽の使い方もここぞというところだけに抑制されててしっかりブチ上がった。
梅田

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