ワカンダフォーエバー！と思わず腕をクロスさせたい衝動にかられること請け合いの映画。黒人ヒーロー映画と言えば数は少ないしメインキャストがほぼ黒人なのは例がないのではないだろうか。黒人ヒーロー映画の命運を握った映画(言い過ぎか？)と言ってもいいが結果、大成功だった。そこでまずホッとした。ぜひ、ブレイドの続編を作ってください。最悪リブートでも構いません。
キャラクターが今何を感じているか読み取りやすくてこっちも映画に乗りやすかった。兄妹のやり取りが可愛くてあの軽口を叩ける仲はもっと見ていたい。「犬猿」のあの兄弟には見習ってほしいですよ。妹役の人がリアーナ似ててもちろん好きです。
ワカンダという国の超文明には驚きます。スタークを超える技術持ってますよね。ワカンダの技術を持ってすれば救える命とかいっぱいあっただろうにと思います。だから復讐に寄りかかりすぎだけどもキルモンガーが言ってることも全然分かるというか。
そこでのキルモンガーの苦悩。恐らくMCU史上、最も同情を誘うキャラクターであり最も人間的である。監督のマイケルBジョーダン愛が大きすぎて「キルモンガー」というタイトルでもおかしくないくらい。荒々しいけど知性があるってなかなかのもんだ。美術館での初登場時のヒップホップ最新トレンドを意識したようなファッションから合格でした。
ドレッドヘアがよく似合ってましたわ。
Kendrick LamarとSZAの「All The Stars」をエンドクレジットで聴くと謎の全能感に襲われる。だから今までの細々とした不満も忘れてしまう笑
これは「アメイジングスパイダーマン2」のエンドクレジットでKendrick Lamarが聞こえてきたのと一緒でとりあえずいいよねと気分にさせてくれるから困る。
あと、朝日を眺める場面は「ブレイド2」を勝手に思い出して感激しました。というわけで加点ポイントがどんどん押される結果に。
中盤の釜山での長回しアクションはクーグラー監督の十八番。長回しを目撃すると興奮する特殊な人たちへのご褒美です。ただ終盤のバトルはカット割りでアクションを見せるルッソ兄弟が上手かなとも思ったり。
先代が犯した過ちは俺たちの世代で正す。若者へのメッセージも感じたし理想と言えば理想だけどMCUが言いたいことの集大成ではないんでしょうか。
とはいえシビルウォーで見た殿下のあの姿勢の良い走りっぷりを見たかったのは心残り。ディズニー傘下ということもあって表現の限界も気にはなった。それでも頑張ってるとは思うけれども。ワカンダ王国の歴史と王位継承の話は済みましたので次はフルスロットルなブラックパンサーを待ってます。
