カトマン

ブラックパンサーのカトマンのレビュー・感想・評価

ブラックパンサー(2018年製作の映画)
3.5
確かに今の映画だった。
ロス暴動があった92年に始まるトコなんかは、デトロイトからの流れを汲む事が出来たり、現在のアメリカを反映して何かと「正しい」んだろうけど、映画としてのダイナミズムに欠けてるというのか、とにかく平面なのがとても残念。
色々と面白くなる要素を内包しながら、それらを活かすことを選ばずに、「正しい」主張に従事する事を選んでいる。あのクリードの様な、浪花節な話をドライに進めて最終的に大きなカタルシスへ持ち込む手腕を放棄してまで、これをやりたかったのだろうか。
多分、アントンフークワが監督していたら物凄くしっくり来る出来になっていたのではないかと思ったりもできる。でも、フークワはイコライザーでほぼ同じ様な事を、現在のアメリカを舞台にやってはいるか。
アクションシーンの分かりにくさ、アイディアの乏しさ、話のメリハリのなさが本当に大きい。クリードでもあったワンカット風長回しのカジノでのアクションシーンももう少しバージョンアップしたモノが観たかった。終盤の争闘もあのワカンダの国の規模から考えるとやたら小規模に感じてしまった。また、キルモンガーや、アンディーサーキスなどヴィランの造形は結構しっかりしてるし、ワカンダ側の登場人物も個性的なんだから、本当もっと面白くなったハズなんだよな、ブラックパンサー!!
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