前半で実際のアフリカの歴史と受難と、現在の世界情勢と、映画の世界観と敵を説明するのがちょっともたつくんだけど仕方ない。物凄い情報量詰め込んでるから。
でも前半の説明部分もあとでそれぞれ全て伏線となって効いてくるからご安心を。
アフリカっつったっていろんな民族いるしチーター世代もいて、混在してるそれらに全方位的に気を使いまくって、
なおかつギリギリのギャグを入れる余裕もあり、元彼だの元カノだのの話で親近感も沸かせる。
音楽も、
オーケストラとアフリカの民族楽器の融合した曲も盛り上がるんだけど、
対極のビッキビキのエレクトロなブラックミュージックもあって〝アフリカ〟のイメージに偏りがない。
最先端の科学技術を持ったワカンダ王国だけど伝統的な暮らしを選ぶ部族も多くて、先進化=西洋化ではないことも示してる。
ヒーローもの好きじゃないんだけど、『ワンダーウーマン』と『ブラックパンサー』は大好き。
****
ヒーロー映画って、それぞれいろんな技や個性があるはずなのに結局最後は殴り合うだけってのがものすごく嫌いで、、もう2度としないで欲しいくらいなのです。。
でも、このブラックパンサーは殴り合いにも意味があるのでオッケー。
しかも王座を掛けての戦いはスーパーパワーも無力化した状態だし。
全員で戦うとこはそれぞれの部族ごとの個性的な戦闘スタイルで戦うからまぁまぁ面白いこと!
****
全体通してアフリカ風のデザインが素晴らしい。
あのフォントも買いたいくらい。
で、特に最高なのが
エムバクの玉座の木の枝が吊ってあるインテリアと、
エンドロールのグラフィック!
かっこよすぎる!
絵っぽい仕事してる人はみんな見に行ったらいいのに。
****
演技面でも、
ティチャラの頼りない感じもいいし、ナキアは上手いしかっこいいし美人だし、オコエのカリスマとアクション凄えし、シュリちゃん絶対人気出るし、ゲットアウトのダニエル・カルーヤもマイケル・B・ジョーダンも流石に上手い!
黒人俳優っつーとすぐにチンピラや貧困層の役をやらせるけど、こういうゴージャスで複雑な役があれば魅力的に演じられる俳優さんはたくさんいる。
ワンダーウーマンとブラックパンサーによってこれから映画界がどれほど可能性が広がったか。
ワクワクしかない。