ケンタロー

ブラックパンサーのケンタローのレビュー・感想・評価

ブラックパンサー(2018年製作の映画)
4.0
原題:Black Panther

葉っぱで覚醒!硬くて黒くて凄いヤツ!
映像美、音楽、テーマ&メッセージ性をこれでもかとブチ込んだ言わば闇鍋、コッテコテのブラック煮込みだ!

公開を控えるアベンジャーズ・インフィニティウォーをリアタイで楽しむため、半ばコンプ欲で見続けている MCUシリーズ。
アベンジャーズ本編の前後の繋ぎ手とも言える ブラックパンサー 初の単独作品。見ない訳にはいきません!

これといったギミックや飛び道具も無いパンサースーツを身に纏うティチャラ、、
得意攻撃は「爪での引っ掻き」(ネコ娘 同等クラス) という地味さなんだが...w

このビジュアル面の弱さとアクションの幅の狭さをカバーするのが釜山で繰り広げられるカーチェイスシーンによく表れてる。

ハングル文字のネオンきらめく繁華街、夜闇に紛れる漆黒のスーツが映える!映える!

しっかりアジア市場を意識した舞台設定をする辺りは、ドクターストレンジの時の香港といい、インフィニティーウォー(エンドゲーム)の東京といい、昨今のディズニー戦略のイヤラシさを感じたりもするけど、見ていて楽しいわ。

加えて、アフリカンビートとブラックミュージックの併せ技1本!的な音楽の効果♪ パンサー・ティチャラに躍動感を与えると共に観客の高揚感を跳ね上げさせる!
ありきたりなカーチェイスシーンをしっかりと見せ場にまで昇華させているのはさすがだ。

主演チャドウィック・ボーズマンの演技は国王としての風格を感じさせるものがあり、またワキを固める俳優陣が素晴らしい!
ヴィランながらマイケル・B・ジョーダンはカッコ良く色気アリ、フォレスト・ウィティカーは抜群の安定感。
さらに今回ようやく長尺で出番が回ってきたCIA捜査官ロスに扮するマーティン・フリーマンの活躍には、フリーマン良かったねー!とファンには嬉しいところだ。

ルピタ・ニョンゴ、ダナイ・グリラ、レティーシャライト、アンジェラ・バセットらが演ずるワカンダの女たちも単に強い女ではなく、それぞれに知性、理性、愛情に秀でた存在として描かれている点は丁寧だと感じた。

そして何よりもスゴイのが驚愕のワカンダ王国文明...。

トニーの開発する携帯性に優れたアイアンマンスーツや新生スパイディスーツも高度な科学力とテクノロジーが必要だが、ワカンダのそれは遥かに高く、他を圧倒しているように思う。

何をどーやったら、とてつもない硬度を誇るヴィブラニウムの全身タイツをあんなにコンパクトに収納(?)できるっていうんだよ....w

もちろん他のヒーローと同じくパンサー・ティチャラの成長と家族愛は大きなテーマだ。
加えて、人種差別問題、民族紛争とそれに端を発する移民・難民問題、資源争奪戦、正義と安保の旗印のもと拡大していく軍事力競争、 貧困と格差社会など、今の国際社会が抱える諸問題に対しての警笛鳴らしまくりと、昨今のヒーロー映画には必須の社会的メッセージ(まぁこれは原作コミック自体が連載当時の時代や世相を反映させていることだけど)そんなんを見事に「全部載せ」してる....

まとまりに欠ける?
押し付けがましい?
しつこい?クドイ?

いやいや、物語としてはかなり良くまとめられているし、メッセージも押し付けがましさをそれほど強く感じないのだ。
この作品の評価すべき点はここにあると思う。

ストーリーや設定の粗さが気になる点も少ーしある(コメント追記します ※ネタバレ注意!)、でもでも、134分という長さを感じさせない(個人的見解です)ギリギリのラインで仕上げた監督のストーリーテーリングと編集の上手さが黒光りする良作でありました(ΦωΦ)

ワカンダフォーエバー !合法ハーブバンザイ!