滝和也

ブラックパンサーの滝和也のレビュー・感想・評価

ブラックパンサー(2018年製作の映画)
3.7
虐げられし民には
権利が存在するのか…。
黒き旋風が躍動する!
ブラックパワー炸裂!

「ブラックパンサー」

危ないわ〜。何とか間に合いましたね。なんと私の地方の映画館では本日より、1日1回上映になっちゃいましたから。ただ世界的には超ヒット状態のこの作品。やはり、ブラックパワー映画の底力をみせてくれました。

監督ライアン・クーグラーを筆頭に今をときめくブラック・スターの共演。主演にチャドウィック・ボーズマン。JBやジャッキー・ロビンソンと言ったブラックヒーローを次々と演じた彼には相応しいとシビルウォーから感じてました。

更に元カノの女スパイにルピタ・ニョンゴ。それでも夜は明けるを見たばかりなんで嬉しい限り。そして女戦士ドーラ・ミラージュのオコエ!ダナイ様。槍さばきも軽やかに見参です。一番カッコイイわ。ミラージュがね、最高に響くネーミング。永野護好きにはたまらんし。

そして、なんと言ってもライアン・クーグラー監督の盟友、待ってましたマイケル・B・ジョーダン!クリード!がやっと銀幕に戻ってきた。この2人のコンビだから見たかったんですよね。予想どおり、彼演じるヴィラン、エリック・キルモンガーが画面を食っちゃいましたね。クリードの名演再びとまではいきませんが、怒れるブラックパワーの代表として姿を表す彼に少し感情移入してしまい、真面目で好青年な王様は割を食ってしまいそう…。

持つものは持たざるものへの考えは何をもって是とするのか…。同胞を鉾にて救うべきなのか、盾として自国民を救うべきなのかと言う高度に政治的なテーマであり、ある意味アフリカの国家である鎖国国家ワカンダ、その王たるティ・チャラ、ブラックパンサーならではのテーマですよね。

アフリカンファーストである人類の歴史と侵略と迫害を受け続けたブラックの歴史。鉾に対して鉾で返す怒りなのか、危険を犯しても鉾を収め盾とし虚実の友愛を貫くのか…。キャプテンアメリカの盾の成分、最強金属ヴィブラニウムを持つ隠れ里であり、超技術先進国家ワカンダの苦悩を一身にした2人の王位継承者が2つに分かれ争うお話でしたから…。

アクション面では韓国ロケのカーアクションは大迫力。またラストの草原の戦いも派手でしたが、どこかで見たような景色の大乱戦…?スターウォーズかな?後ワンダーウーマンにあったような…、ロケーションが似てますよね。マーベルも18作目、ややアクションが食傷気味なのかなとは思います。

ワンダーウーマンで思い出したんですが、人種差別に対して気を使ってますが女性差別にも、かなり配慮されてる気がしますね。女性が皆さん優秀で強い。妹ちゃんもとても印象的でした。可愛くて頭が良くて。

ブラックパンサーの謎を明かしていく誕生編であることは間違いなく、ブラックパンサーの第一作として相応しい内容でした。シビルウォーの際、スーツの強さはわかるのですが、あの身体能力は何かと思ってはいましたが、まさかのドーピング(笑)とは。キャプテンと同系列でありながら、スーツはアイアンマン並で硬度はそれ以上なわけで結構強いのはわかりました。がしかし演出面でどうしても生身の格闘アクションが多くまたラスト近くは強さを表しにくい対決なんでやや損してる気が…。後、キャプテンたちはどこにいたんでしょうかね…。ちょっとだけ出しても良かったんじゃないかな。

ただワカンダはインフィニティー・ウォーでかなり重要な戦力なのかなと思わせますね。次作が楽しみでならないです。
滝和也

滝和也