七沖

ブラックパンサーの七沖のレビュー・感想・評価

ブラックパンサー(2018年製作の映画)
3.6
〝国王として守るか? ヒーローとして戦うか?〟
色々解釈できる奥深いキャッチコピーだと思う。文字通り主人公のティ・チャラが国王でありながらその正体はブラックパンサーというヒーローだという意味に取れつつも、ラストの彼がした選択によって初めて「ヒーロー」と呼べる男になったという意味にも取れる。

父を無くしたティ・チャラは、跡を継いでワカンダ国王=ブラックパンサーになる。だが、かつてティ・チャラの父に父親を殺害された過去を持つキルモンガーが現れ王位の争奪が始まる…というストーリー。

本音を言うと、そこまでハマらなかった。
ブラックパンサーことティ・チャラは強いのか弱いのかハッキリせず、成長ものとして観ればいいのか、強大な力を持つ者の苦悩を描いたドラマとして観ればいいのかが分からなかったのが理由だ。
あと、ブラックパンサーがビジュアル的にイマイチ記憶に残らない…。
アイアンマンと言えば!スパイダーマンと言えば!という感じでヒーローごとに色々な特徴があるが、ブラックパンサーは受けたダメージを跳ね返すという特徴がある。とても面白そうなギミックなのに、あまり有効活用されているようには思えず、発動時の見た目も意外と地味だった。
ブラックパンサーという名前らしく、もっと豹っぽく戦って欲しかった。

だが、近未来的な都市とアフリカの自然が融合したワカンダはインパクトがあるし、登場人物たちは魅力的だった。オコエ、シュリ、エムバク、ロスは親しみが湧き、ずっと彼らのこれからを見てみたいと思える。彼らが登場する(と思われる)インフィニティウォーがとても楽しみだ。
最近のマーベル作品は傑作が多いせいか期待値を上げ過ぎた感があるが、普通に良作であることは確かだ。

ラストの、我々は違いより共通点の方が多い、という感じのセリフ……『デトロイト』を先に観ていたということもあって胸に響いた。
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