えんさん

ブラックパンサーのえんさんのレビュー・感想・評価

ブラックパンサー(2018年製作の映画)
2.5
世界を破壊するパワーを秘めた鉱石・ヴィブラニウムの産出国ワカンダ。若き王に即位したティ・チャラは、ヴィブラニウムを狙う悪に立ち向かっていく。。「シビル・ウォー キャプテン・アメリカ」に登場したヒーロー、ブラックパンサーを主人公とするアクション映画。出演は、「ジェームス・ブラウン 最高の魂(ソウル)を持つ男」のチャドウィック・ボーズマン、「それでも夜は明ける」のルピタ・ニョンゴ、「クリード チャンプを継ぐ男」のマイケル・B・ジョーダン、監督は「クリード チャンプを継ぐ男」のライアン・クーグラー。

「アベンジャーズ」シリーズものですが、本家の最新作「アベンジャーズ インフィニティ・ウォー」が公開された以後も、全米では興行収入トップ10に入り続け、全世界的にもいわゆるスピンオフシリーズでは過去最高のヒットを記録した作品。日本での公開は終了しましたが、思い返すとそうヒットした感じも受けないし、実際に映画の中身を観てみても、迫力あるアクション映画という以上な印象は残さない。これはむしろ作品が作られたということに意味があるのかなと思います。

思えば、黒人主演の映画というのは過去もたくさん作られていますし、いわゆる有色人種たちのコミュニティで製作されている作品(エンターテイメント向け含め)もありました。ただ、これらの作品は、それらのコミュニティの中ではウケても、一般のマーケットで爆発的に広がるということはなかった。本作が黒人ヒーロー映画という単純な作品の中身のくくりだけでなく、世代も、文化も越えて楽しめる作品にしたということが意義あることだったのだと思います。それは昨年ヒットした「ワンダーウーマン」も然り。マイノリティたちが作った、出演したという括りではなく、単純に面白いと思える作品。真のノーマリゼーションには、今後はそういう視点が重要なんですよね。