ヴィランというか敵役のキルモンガーが信念もあるし１つ芯が通ってるキャラクターなのがすごく好印象。
体を左右に小さく揺らして歩くスタイルがなんだか獣のようで表情は落ち着いていても何かやりそうな強キャラ感が出てる…マイケルビージョーダンさん、かっこいいね。『お前を連れて帰ればよかった…』父親の涙を見て、涙しながらも自分の怒りをもう納める鞘もない彼の哀しみがとても共感できる。
いわばヒーローの影として抹殺された歴史の主張というか、彼の怒りももっともだし、それを主人公のティチャラが国王として葛藤して受け止める姿がより素晴らしいと思う。ハリウッド大作やこういうヒーロー映画ではなんだかんだそこが『やっぱり悪党は悪党でした』という発想でかき消されることが多い気がしてたので、この着地はとても納得がいくしカッコいい！
全体的にはよくここまで詰め込めたなというアクションもストーリーも充実した一作で良きでした。なんでもアリなハイテク世界観も民族感と上手くなじませてて見事だと思います。なにより主人公を支える女性キャラたちが全員魅力的でとても素晴らしい。あの坊主の人すごい好き。あと元カノより頼られたい妹ちゃんが可愛い！吹き替えで見ると声がすごい幼くて余計よかった。
長回しで魅せるアクションが中盤あたりは楽しくていいんですが、全体的にそこまでスピード感のある演出は上手くないなと思いました。それも含めて独特の雰囲気が醸し出されててプラスだと思いますが。独特の軽さがとてもよかった。
黒人だらけということにはそういえば中盤あたりまで気づかなかったのですが、たしかにこれはアメリカにとって大きな意味を持つ映画なのでしょう。あっぱれ！
